どのレベルでの「最適化」を実践していますでしょうか?

投稿者:セールスマーケティング部

2010/04/18 21:21

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現在、Yahoo!リスティング広告やGoogle Adwordsといった「リスティング広告」、あるいは定額や成果報酬型とある「SEO(対策)」を実施されている企業様は多いと思います。

大企業はもちろん、個人事業主の方でも、Webサイトを持ち、そこにユーザーを集めるためにリスティング広告やSEOを実施することは、お客様を獲得するための手段として不可欠なものになりつつあります。

リスティング広告やSEOを行う際に、ゼロからのスタートであれば、Google Adwordsのキーワードツールなどを用いて、自社のビジネスにつながるであろう、かつ検索回数のあるキーワード、はたまた関連ワードなどを抽出することが多いと思います。
キーワードを選定後、実際にリスティング広告やSEOを実施し、一定期間を経た後に効果検証を行います。

Yahoo!リスティング広告やGoogle Adwordsであれば、運用管理画面から、それぞれのキーワードのクリック数、コンバージョン数(お問合せや販売数)を確認でき、Webサイトにアクセス解析ツールを導入していれば、様々なキーワードのアクセス数やコンバージョン数を確認できます。

リスティング広告で出稿しているAというキーワードはどれだけお問合せにつながっているのか、SEO(対策)を行っているBというキーワードはどれだけ意味があるのか…
それを検証し、「このキーワードにもっと予算を投下しよう、このキーワードは止めよう」と判断されていることと思います。
もちろん1回きりの検証ではなく、PDCAサイクルを回して(戦略設計⇒運用⇒検証⇒設計修正⇒再運用⇒再検証…)、費用対効果を高めていく努力をされていることと思います。

上記については、費用対効果を高める上で有効なアプローチではありますが、これだけ実施していればOKというものではありません。
キーワードのパフォーマンスだけを見て、キーワードの取捨選択をしてしまうと、本当は価値の高いキーワードをみすみす捨ててしまう可能性があります。

例えば、Aというキーワードはクリック数(or アクセス数)が多いものの、お問合せに繋がっていないという数字だけを見て、「注力してもあまり価値の無いキーワードだ」と判断してしまう方がいます。はたして、本当にそうでしょうか。

Aというキーワードで検索し、Webサイトにアクセスしてくれたユーザーは、どんな商品、サービス、情報を求めているのでしょうか。
そのユーザーのモチベーションとミスマッチしたコンテンツばかりであることが、お問合せを獲得できていない理由であることもしばしばあります。

Aというキーワード、Bというキーワードと、そのどちらもがお客様に「なりうる」ニーズを持っていそうなユーザーだったとしても、お問合せや購入といったアクションまでの距離というかモチベーションの高さは異なるケースがあるでしょう。
例えば、Aというキーワードで検索するユーザーについては、まだまだ比較検討をじっくりされているような状態のユーザーが多いとすると、商品のUSP(競合優位性)や利用者からの声、数値実績(販売数やリピート率)など、ユーザーの判断を後押しするようなコンテンツを追加することがプラスに働く(最適化につながる)ケースが多いです。

ちなみに、検索キーワードから派生するユーザーのニーズや関心を追いかけるのに、下記のツールが参考になるでしょう。

参照:Google 検索のワンダーホイール

アクセス解析を通じて、ユーザーのサイト内ページ遷移(離脱ページの確認や、ユーザーの興味の方向性の想定)を分析しコンテンツの最適化を図っていくことも重要ですが、サイト内の数字だけを見ていても視野が狭くなりがち…そんな時はワンダーホイールで検索キーワード関連の傾向を調べるなど、言わば「サイト外の数字や傾向」を掴むことも、コンテンツの最適化に有効なのです。

ただし、こういったコンテンツの最適化(検索キーワードとコンテンツのマッチング)を進めたとしても、それでもお問合せにつながりにくいキーワードがあります。
リスティング広告の広告文のクリック率も良く、クリック数も多く、サイトにジャンプしてからの直帰率も低く、平均ページビューも多い…でもお問合せにつながらない…。

ここで掘り下げて確認すべきことがあります。それは「直接効果」と「間接効果」の違いです。
お問合せにつながっていない(直接効果無し)キーワードでも、異なるキーワードでの再訪問を促し⇒お問合せにつなげる(間接効果多い)ものがあります。

Yahoo!リスティング広告の管理画面上では「アシスト」という指標でカウントされるものです。
AdWrodsや自然検索では、間接効果をカウントすることは難しいのですが、特殊なアクセス解析ツールを用いればカウント可能です。

例えば、BtoC(一般消費者向け)で、市場の広い(老若男女向け)商品をWeb上で販売しているとすれば、かなりの数のキーワードでリスティング広告を出稿しているでしょうし、結果的に、広告費もかなりのものがあるでしょう。こういった場合はBtoBの企業様以上に、できる限り費用対効果を高めていくために、直接効果だけでなく、間接効果もパフォーマンスの指標とすることが重要です。

※BtoB向けのサービス・商品の場合、お問合せにつながる+採算が合うキーワードが絞られているケースも多々あるため、間接効果まで追うことが必ずしも価値が高い、ということでもありません。間接効果を細かく追いキーワードを最適化していくことよりも、すでに実績のあるキーワードでのお問合せ獲得率(CVR)を向上させるために、コンテンツの最適化を優先すべきとも言えます。

「Web戦略の最適化をしよう」という姿勢は素晴らしいのですが、キーワードの最適化しか頭に無ければ、それはWeb戦略の最適化としては不十分だということです。
キーワードの最適化(直接効果と間接効果の両面からパフォーマンスを検証する)とコンテンツの最適化(お問合せを生む、獲得率を向上させる)の両方が必要であり、厳密にはWeb以外の媒体とのメディアミックスや、実際のビジネスフローとのマッチング向上など、さまざま注目し、数値を分析し、改善していかなければならないポイントは多々あるのです。

【編集担当:天野】

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