顧客関係管理(CRM)としてのメールマーケティング ~中小・ベンチャー企業の最大の強みはお客様との距離の近さ~

投稿者:小川 悟

2009/01/27 22:55

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ところが両派とも危険が迫っていることを見ようともしなかった。たとえ、<太平洋の宝石>がこなみじんになっても、けっしてゆずろうとはしなかったろう。

/『動く人工島(「右舷と左舷との争い」の章より)』(ジュール・ヴェルヌ著)

先日20日、オバマ新大統領の就任演説は聞かれましたか?私は後日、YouTubeで拝聴させて頂きました。『オバマ演説集』なる、生声が収録されたCD付きの書籍がよく売れていると聞きます。この混迷の時代にあって、一筋の光明を見出したくなる演説でしたね。この演説の内容は、インターネット上にも多くの日本語訳が掲出されていました。

あなたの国の国民は、あなたが何を壊すかによってではなく、何を築くかによってあなたを判断する

cf.「オバマ米新政権誕生」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/senkyo/us2008/news/20090120e3k2001720.html 

さらさらと読み飛ばしていたところ、良いなと感じた一節があって目を留めました。まったくおっしゃる通りだ、と一瞬わが国のことについて言われたかのような錯覚を覚え、バツの悪い気持ちになりましたが、よくよく前後の文章を読んでみるとイスラム社会について述べられた部分でした。

私たち会社組織に属する者も、ともすると他者批判を通じてしか自己の存在をアピールすることができなくなるような心理状態に陥ることもあるかもしれません。ところが、そうしてしまうと全体最適を考えた場合、誰も得をしないことに気が付きます。私たちの仕事は、制度や意見、ライバルに対立することではなく、より良い体制を築くこと、より良いサービスを新たに創り出すことなのだと、改めて実感することができました。

常に調和(協力・競争・共有)を大切にし続けます<調和>

/「フリーセル行動指針」より

 

さて、私たちは今年の1月から、既に当社とご契約中のお客様向けにメールマガジンを発行することになりました。その名も「フリーセル通信」

まだ始めたばかりですので、まずは”月刊”ということで月に1度の配信となりますが、発行元となっている「お客様ニュースレター編集局」で中心となって企画・編集に参画しているのが、以前にご紹介させて頂きました「コンタクトセンター」チームです。

cf.「コンタクトセンター」発足から1年 ~「顧客の声(VOC)」に耳を傾けることの重要さ~

http://www.web-consultants.jp/column/ogawa/2008/08/post-14.html

上記のコラムを書いたとき、コンタクトセンターの仕事内容について、「私たちのビジネスは法人様向けのサービスであり、インターネットを活用するソリューションとなりますので、お客様からのお問い合わせは電話だけに留まらずメールであったり、ときには訪問して問題を解決することもあります」と書きました。

折しも、昨年末の読売新聞の記事に、「電話も通じぬIT企業、増える「窓口はメールのみ」」という見出しのものがあり、サービス利用者がトラブルに巻き込まれた際、メールでしか受け付けてくれない企業のサービスを不親切だといったように書いてありました。メールでの窓口しか設けない最も大きな理由はコストがかかり過ぎることとのことで、大手企業は大手企業で運営が大変なんだなぁと思いながら、幸い当社はまだメールはもちろん、電話でもFAXでも、場合によっては訪問であっても対応できる環境にあるのは、まさにCS(Customer Satisfaction)冥利に尽きると感じました。

 

当社が公式にメルマガを発行するのは、これで2回目になります。最初は2003年の5月~2006年10月まで続いた歯科タウンニュース(現在休刊中)でした。こちらは一般のユーザー様を対象としたメルマガでしたが、今回は既存のクライアント様を対象としたもので、少し勝手が違いました。お読み頂くのは、ほとんどが中小・ベンチャー企業の社長様か、もしくはWeb担当者様だと思います。お客様ニュースレター編集局では、どのような内容が良いのか何度かミーティングを開いては、各自思案に明け暮れていました。

しかし、元々のメルマガ発行のコンセプトが、「お客様との対話」でしたので、編集担当者が一度構成を練り出すと、あとは一気に仕上がりました。メルマガの編集にあたっては、CS部ライティング課の課長である松岡も手伝ってくれました。松岡は以前に以下のようなコラムを書いています。

cf.対話性重視! 簡易的なメールマーケティングで最大限の成果を

http://www.web-consultants.jp/column/matsuoka/2008/11/post-12.html

松岡は、当「Webコンサルタント.jp」の「Webコンサルタント.jp」が贈る珠玉コンテンツコーナーにあるメルマガ(全5回配信)の責任者でもあります。定期コンテンツをどうしても含めたいという意見が上がり、まずは「会社案内」というものを入れることにしました。先の記事にもあったように、これだけ世の中は情報に溢れ、パソコンや携帯電話、インターネットといった便利なツールも登場したのに、逆にそれだからなのか、とかくアナログなコミュニケーションが目立たなくなってきたと言われます。もちろん、現状4,000社近くの既存のお客様すべてを訪問し、ご挨拶をしてゆくのはすぐには難しいので、せめてメルマガを通してでも、当社の横顔を見て頂きたいという気持ちでこのコンテンツを用意しました。創刊号で特集したのは、もちろん、編集局の中心であるコンタクトセンターチームのご紹介です。

cf.サービス紹介 コンタクトセンター

コンタクトセンターの課長の板谷が、最近ビジネスシーンで大人気の勝間和代氏(cf.勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!」)に影響を受けたのか、推薦図書として挙がっていたサミュエル・スマイルズ著の往年のベストセラー『自助論』について年末年始の帰省時に読んだらしく、メルマガの本文中に「先の見えないこの時代、改めて身に沁みる思いでした」と書いたところ、この号をお読み頂いていたお客様の何人かがわざわざ板谷に電話をくれまして、本書について思うところをお話頂いたようです。配信前に描いていた「お客様との対話」、まさか、配信当日にそれが叶うとは思っていませんでした。その報告を受けたときは、本当に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。他にも、「こちらも仕事の参考にするよ」とお電話をくれた社長様もいらっしゃったようです。できることなら、メールなんかでなく、時間さえ許すのであればすべてのお客様と電話で話したくなるくらいの気分になりました。今回配信させて頂いた記念すべき創刊号は、試験的に一部のエリアに限って配信させて頂いたのですが、順次エリアを拡大してお届けしたいと思っています。

 

繰り返しとなりますが、私たちのお客様の多くが、中小・ベンチャー企業の経営者様です。また、そういった企業にWebコンサルティングを提供している私たちフリーセルも中小・ベンチャー企業に含まれます。ほんの少しだけ、メルマガ配信というアクションに移しただけで、こんなにも既存のお客様との対話が実現できるのです。逆にこれは大手企業だと難しいことかもしれません。これだけお客様との距離を近くに感じることができるのも、中小・ベンチャー企業であるメリットだとさえ感じます。まずはメルマガ配信から始める顧客関係管理ですが、まだまだいろいろな試みを考えております。

先ほどご紹介した当社発行のメールマガジンの一つ、「Webコンサルタント.jp」が贈る珠玉コンテンツを、まずは是非一度お読みになってみてください。自社でも既存顧客向けにこうしたメルマガをアレンジして発行したいと感じ、またその中でもコンセプトの企画から外部に委託したいとお考えの社長様、Web担当者様がいらっしゃいましたら、当社宛にお気軽にお問い合わせ下さい。当社でもメールマーケティングに関するコンサルティングを承っております。

cf.DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)

http://www.web-consultants.jp/service/writing/

中小・ベンチャー企業の強みを活かした顧客関係管理(CRM)――、まずはメルマガなど投資も労力も小さく始めてみるのが成功の秘訣かもしれません。