直感というコンセプトはWebの世界を変えるのか?

投稿者:吉田 亮

2011/08/29 13:14

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『ジョブス氏、辞任。』

そんな文字が紙面に躍った昨今。

この世界で知らない人はいないであろうApple社のCEOが
病気療養のため辞任という形をとりました。

 

どうなるApple?というところも、非常に心配しつつも興味があるのですが、
プロモーション力、はともかく、
今のAppleのコンセプトは、そう簡単に揺らぐものでもないでしょう。

 

Simple is best.

 

個人的には、デザイン美よりも機能美を重視する方ですが、
最近のAppleの製品は、

 

『こうしたら、たぶんこうなる』

 

というのを、実に的確に体現している気がします。

 

タッチパネルという手法は昔からけっこう好きなのですが、
如何せん、店頭販売で置かれていた端末達の反応は、
自分の感覚とはほど遠く、操作に確実性が乏しいのであればと、
なかなか手を出さずにいました。

 

手を出したのは、
『iphone4』の『予想通りのレスポンス』に出会ったときです。
10数年も付き合ってきた携帯を、一瞬で切り替えてしまいました。

 

ついでと言っては何ですが、
先日、ノートパソコンも買い替えの時期であったので、
私物だったこともあり、単純なノリで『Mac Book Air』にしてみました。
本当はタッチパネルのiPadが良かったのですが、
Officeはどうしても必要で、ここはタッチパネルを諦めた訳です。


iphoneにしたのすら最近で、それまで一切、
Appleの製品を使ったことはなかった訳ですが。

 

ここ数か月で、
予想だにしなかった弊害に出会うことになりました。

 

Windowsのノートパソコンが、まともに使えなくなってしまったのです。

 

デスクトップの方は、
業務的にはまだまだWindowsの方が使いやすいですが、
ノートになると、どうしても、
本能的に指が『Mac Book Air』の動作をしてしまうのです。
お客様先や取引先の前でこれをやると、微妙な空気が流れます。

 

例えば、

・スクロール=2本指で下に流す。

・Webページを戻す=3本指で横に流す。

・デスクトップを表示=4本指で下に流す

・使用中のアプリを表示=4本指で上に流す


『Mac Book Air』はタッチパネルではないのですが、
特にこのあたりは、説明書を読んだ訳でもなく、
当たり前のように直感で動かしていたので、
クセのように出てしまうようになりました。

 

『Macに慣れた』、というのはおそらく正解ではなく、
本来、ずっと自分の操作イメージはこうだった、
のだと思います。

 

そこを焦点にしたのは、さすがだなと。

 

Appleのデザインやコンセプトが好きな方もいれば、
Windowsの汎用性と拡張性を好む方もいるでしょうが、
直感、というものに限れば、
個人によってそれほど差異が出るものでもないと思います。

最も早く、行動の根拠になるもの。
それは確実に自分の感覚、つまり直感です。

これはプロモーションにも同じことが言えますが、
懸命にマニュアルを読まなければ使いこなせないような商品やサービスは、
徐々に淘汰されていく気がします。
原点回帰と言いますか、一周したと言いますか、
最近、技術力の向かうべきところが、少し見えたような気がするのです。

 

私としては、
使いやすくてストレスがなければ、どちらでもいい話であり、
そこに信念みたいなものはありません。

 

とはいえ、こういったツールやインフラの変遷を、
Web屋として考えない訳にはいきません。

 

Webは、外部環境に大きく左右されるものです。
『インフラに左右される』、と言っても過言ではないでしょう。

 

その昔、回線速度の問題から、Webに動画を組み込む、というのは、
非常に手間がかかるものでした。

動画のファイルは『激重』『超遅く』
パソコンをそのままフリーズさせることなど当たり前でした。

それが今や、ファイルの圧縮技術と光回線の普及により、
さほどの苦労もなく、多くの家庭で見られるようになり、
立派にWebの1コンテンツになっています。

 

スマートフォンが台頭すれば、
もちろん新しいサービスも無数に生まれるのですが、
現在のWebサイトも、それで見れるようになる必要が出てきます。

 

今の流れを考えると、タッチパネルの技術も各社で進んでおり、
そのうち、端末のほとんどが、
直感系のタッチパネルや、より現実を超えたホログラムなどに入れ替わったとき、
Webサイトの構造自体が変わる、のはもはや必然ですので、
私たちは、そこまで予測しておかなければなりません。

 

Webサイトが『クリックするもの』から『タッチするもの』になる、
(もしかしたら、それはもうWebと呼ばれていないかもしれませんが)、
とすると、根本的にWebの構造を考え直す必要が出てきます。

そして次には、『タッチ』よりも、さらに直感に近づく道があり、
『思考』そのものでの動作、思考連動型の商品が・・・・

 

脱線しそうですのでこれくらいにしておきたいと思いますが、
Web自体がそうであったように、
ひとつのコンセプトが、世界を変えることは稀ではありません。

 

伝統や既成概念をぶち破って、ひとつの商品・サービスが、
過去を全て塗りつぶすほどの圧倒的な威力を持つ。
それがまた、周囲にあったあらゆるものを変化させる。

 

こんなことが頻繁に起こるのはWebの世界くらいですので、
本当に面白い業界にいるもんだと、しみじみしながらも、
直感的な操作でこの記事を書いています。

 

でも、やっぱりキーボードだけは、まだまだ直感的ではないんですよね。。。。