ベトナム(ハノイ)視察記 ②

投稿者:木村 裕紀

2011/06/27 18:01

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こんにちは

今回は、ハノイ滞在中に改めて強く感じた、事業、商品、サービスの競争力の源泉と、ヒトの質の競争力について記して参ります。

まずは、
2010年9月20日、日経新聞の記事「円高と空洞化 日本経済の針路 記事要旨」より抜粋

世の中には鉱物資源、農林水産資源などがあるが、それらの素材だけで人類の役に立つものは少ない。
その「素材」を人類の役に立つものにしていく行為が「開発」ということになろう。

更に「開発」されたものを具体化する行為が「加工」「組み立て」になる。そして、それらが人々の手に渡り消費されていく。

 

その周辺で多様な「サービス」が求められる。あるいは「サービス」はこの一連の流れの全体に深くかかわってくる。

「モノ」はほぼこのようなプロセスをたどり、私たちの手に届く。

日本企業の向かうべきは、両端の「素材」「開発」と「消費」「サービス」となろう。
この部分は経済的な反映の歴史、経験、豊かさなどが強く働く領域であり、日本は戦後60年を経てようやくたどり着いた。

日本の2010年の状況では、中国語、英語、IT教育、そして、とりわけ若者の生きる力を養う為の教育、さらに社会に対する関心を高めていくための教育が求められている。
これからの世代は、世界のどこで働き、暮らしていくことにも積極的であることが求められるであろう。

あるいは今後、成熟化する国内の新たな産業化として、農林水産業およびその周辺や、高齢化社会と環境問題に対応できる考え方とスキルを高める教育なども必要になろう。
人の「力」を高めていくことが何より重要なのである。



以前、ある躍進する中国企業を訪れた時、ふと見上げると「我が社の目標」が掲げてあった。
そこには「ドイツの品質」「中国の価格」「日本のサービス」とあった。目からウロコの気分であった。
世界が称賛していたのは、「日本のサービス」なのであった。

現在の日本企業の多くは、限りなくコストダウンしている中国企業の迫力に驚愕し、そして内向きになり、図の真ん中の所で立ちすくんでいる。私たちの向かうべきは、これまで得意と思いこんでいた「加工」「組み立て」から飛躍し、両脇の「素材」「開発」、「消費」「サービス」に新たな可能性を求めることが必要であろう。

世界でも最先端の成熟社会、高齢化社会に踏み込む私たちは、そうしたことに積極的になれるかどうかが問われている。
それは人類に「未来」にも大きく貢献し、世界の人々を「幸せ」にしていくはずである。

~ここまで~

上記日経新聞の記事は、日本の過去から現在、未来を内外の環境変化と共に本質を現わしている記事だと感じ、手帳にメモしておりました。

特に印象的なのが、
「ドイツの品質」「中国の価格」「日本のサービス」というくだりです。

今回のベトナム視察で、以下のことの重要性を改めて感じました。

サービスの質
品質×コスト×サービス+マーケティング


サービスの質は、「Q・P・S」
Quality  Price  Service  の3要素の総合点

サービスを向上させるためには、新規、既存を問わず、顧客の満足点、不満点、事実背景、問題点、ニーズ、ウォンツをマーケティングする必要がある為、サービス+マーケティングと考えています。

スポットのサービス力は別として、中長期的にサービス向上を図るには、マーケティングがとても大切です。

ヒト質
能力×コスト×サービス(信頼)+マーケティング

Skill Cost Service(Trust)の3要素の総合点

「開発」「消費」「サービス」の付加価値創出の源泉は、ヒトと組織の競争力にあると考えております。

ヒトの持つ専門分野でのプロフェッショナルな能力、発揮する付加価値に見合った適正な賃金コスト、顧客、取引先、上司、部下、会社、業界に対してのサービス力、信頼性の高さ、そして刻一刻と変わる情勢の中で、自分自身の期待役割の変化に対応し続けるマーケティング力、これがヒトの質を決めてくるのではないかと考えております。

同じ能力、同じ賃金でも、如何に顧客志向、広く遠い視野での連携志向、付加価値創出志向が高いかが、サービス+マーケティングにより左右され、中長期的にいうと、ヒトとしてのサービス力の高さが、年収の向上にも繋がってくるのと同時に、ある領域からは能力向上にも繋がるものだと感じます。

現在の日本で大切になりつつあるキーワード、「人間力」「感性力」「自己責任」「自律志向」などが
言われているのも、こういった環境変化の要請からなのではないでしょうか?

安価な労働コストで、「加工」「組み立て」を優秀にこなす労働市場がアジアで拡大し、カバー出来る領域が広がってくる現在、成熟期に入っている日本の労働市場の中での、あるべき方向性を考えさせられました。

より具体的に踏み込んだ記述は控えますが、何かお感じ頂ける部分はそれぞれのお立場であるのではないかと思います。

幅広い視点を持ち、日本市場でNO,1の「中小・ベンチャー企業に特化したWebコンサルティング」道を引き続き追求して参ります。

お付き合い下さりありがとうございました。

平成23年6月27日  木村 裕紀