誰もが細かな説明を求めているワケではない!?

投稿者:セールスマーケティング部

2010/08/17 21:09

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早速ですが、小話からお付き合い頂ければ幸いです。

先月末に自家用車を買い替えることになり、先日無事に納車されました。
エコカー補助金&減税の恩恵に預かろうと思い立って、即実行したわけです。
その納車の折に、担当のディーラーさんの説明が、「私」にとって非常に心地良かったので紹介させて頂きます。

車の機能を1から10まで説明をするのではなく、まず最初に、以前の車と今回の車の大きく異なる点から説明を受けました。

⇒鍵が変わる(インテリジェントキーに)。それに伴い、エンジンのかけ方、施錠の仕方、電池切れの際のカギの扱い方etc
⇒給油口が変わる(以前は左後ろでしたが、今回は右後ろ)。
⇒バックビューモニターの見方
…etc

その次に、「(以前の)軽自動車から(今回の)一般車に乗り換えるケースの方が注意すべきこと/よく聞かれること」を教えて頂きました。
※この時点で、もはや私には不安はほぼありません。

さらに、これまた新しくなるカーナビの説明を受け(最低限の目的地設定とAV周り)、最後にアフターフォローについての話を。
何ヶ月毎に点検があるか、どのようにどんなタイミングで(念のための)点検のお知らせ連絡がもらえるのか、どこまでが既に支払った費用内で収まり、どこからがプラスアルファで発生しうるか、といった話でした。

最後に、「その他気になる点はありますか」と聞かれ、いくつか細かい点を確認して、私も「バッチリ大丈夫です!」となったわけです。

納車後にすぐに別件の予定が詰まっていたために、そもそも時間にあまり余裕が無く、また、(車に限らず)自分が利用を開始するにあたって最低限気になる点以外は使いながら覚えていくのがむしろ楽しいというスタンスであるため、細かく丁寧に説明されては困る“状況”だったのですが、そんなことをお伝えせずとも結果的に非常に丁度良い、心地良い説明をしてくれたのです。

今回は、購入の検討段階ではありませんが、非常に「安心」を得ることができました。
また、このエピソードを友達にも話して(言わば、紹介の発生)、これから先、安心して長く付き合いたいな、と思えたのです。

※なお購入検討時には、事前に様々なWebサイトやパンフレットにて情報収集を行い、ディーラーさんに対しては「これだけ回答してもらえれば大丈夫」という内容をメモし、こちらからすべて質問させて頂いたので具合が異なります。
しかし、その質問にも的確に気持ち良く回答してくれ非常に気持ちよくハンコを押すことができましたので、それだけでも優秀なディーラーさんだったと言えます(以上、補足)。

今回のエピソードを一言で表現するのであれば、「『私』の求める安心を的確に提供してくれた」、といった感じです。
先ほど申し上げたように、決して新規購入検討時のモチベーションを後押ししたようなケースではありませんが、およそ購入検討時にも同様の要素(心地良さ⇒安心の獲得)は不可欠であると思います。

仮に、気が長く時間が有り余っているような方(消費者)であれば、1から10まで細かく説明してもらうことも、前向きに考えれば詳細な「確認」の意味も含め、良いことかもしれません。
しかし、実際には時間が限られている方がほとんどでしょうし、人それぞれの必要としている情報とそうではない情報、あるいは得たい情報の優先順位などがあるはずです。
これがWEBを通じての情報収集、Webサイトの閲覧であればなおさらのことでしょう。

現在は、Webはもちろんそれ以外の媒体を含め、予約や購入といったコンバージョンに至る前に、当たり前のように誰もが比較検討する時代です。

比較検討される際に…

・この商品の特徴は?
・他社製品(新旧)と比べてのメリット/デメリットは?
・同社の旧製品と比べて改善された点は?
etc

こういったポイントを筆頭に、それらを掘り下げた内容も含めて、人それぞれ求めている情報には差分があるでしょう。
固定コンテンツによって、Webサイトを訪れてくれたすべての方のニーズに満遍なく応えることは現実的ではないにしても、情報を整理してあげることはできるはずです。

例えば、「初めて当社にて購入を検討されている方」「他社製品からの買い替えの方」「当社の旧製品からの買い替えの方」といった切り分け方をして(入口を設けて)、表示するコンテンツの優先順位を変えることはできると思います。

またそういった形をとることで、「あなたと同じケースの方は、こんな情報を求めています。こんな質問をされます。」といった具合に、当初頭には無かったものの、「安心」につながる気付きを提供できえます。

アフターフォローの一環として、既存のお客様/会員様向けのWebコンテンツを設けているケースもあるでしょうが、この場合にも例えば「初めての購入の方」「長くご利用の方」といった情報の整理が功を奏するでしょう。
※精密な顧客データベースで関連付けられ、個別のIDとPASSを入力すれば、そのお客様と類似したお客様から寄せられる質問やその回答を吐き出すような仕組みを構築できればベストですが、大企業はともかく、中小企業には正直しんどい話であると思います。

時に、Webサイトのことを「24時間働く営業スタッフ/カスタマーサポートスタッフ」と例えることがありますが、上述のようなコンテンツの見せ方(整理)ができれば、非常に優秀なスタッフになりえます。
事前に購入検討者のモチベーションを高めることはもちろんある程度の質問に答えることができれば、商談がスピーディーに進むでしょうし、既存のお客様からよく寄せられる、お問合せの電話やメールを減少させることで、スタッフ(人間)の稼働を効率化させることにもつながります。
そうなれば、Webサイトは非常に優秀な“スタッフ”ですね!

伝えるべきことを伝えられていない、わかりづらいWebサイトは“そもそも論”ですが、一方で、すべてのWebサイト訪問者に細かく丁寧に情報を羅列してしまっていて、本当に必要とされている情報が埋没してしまっている可能性はないか、一度Webサイトを見直してみてはいかがでしょうか。

 

【編集担当:天野】

Webコンサルティング