キリン株式会社が実施する「既存マーケティングへのデジタルの融合」

投稿者:Webマーケティング部

2017/05/19 15:14

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こんにちは、マーケターのAsamiです。
GWも終わり、次の連休は7月と2ヶ月間連休なしの期間に突入です…。あー、あの頃が懐かしい。w
って事で、次の連休の予定を早くも立てようとしています!!
まだどこに行くのか何をするのか決めていませんが…w

さて、前回ご紹介したアナリティクスサミット2017~意思決定への顧客分析~内のキリン株式会社による「キリンブランドのファンづくりとデータマネジメント」の講演に関して今回はお話させて頂きたいと思います。

ちなみに、このアナリティクスサミットで行われた講演会は以下の通りです。
1. キリン株式会社「キリンブランドのファンづくりとデータマネジメント」
2. 株式会社LIFULL「アナリティクスとデータで事業を加速させる」
3. 株式会社イー・エージェンシー「ウェブ接客・パーソナライズによる
高価値ユーザー囲い込み戦略」
4. 株式会社TSUTAYA「TSUTAYA 1to1マーケティングの推進
~データとUX、2つの視点で行う意思決定~」
5. 株式会社ビズリーチ「”One Bizreach” 組織を超えて実現するデータドリブンなグロース戦略」
6. 株式会社Ptmind「データが繋げるTeam Building ~ データを全ての働く社員へ ~」
7. オイシックス株式会社「『事業を成長させる指標』と『事業をダメにする指標』」
8. アクサダイレクト生命保険株式会社「個客データで決断するアクサダイレクト生命の
カスタマージャーニー戦略」

目次

1. キリン株式会社の講演について
2. 最後に

1.キリン株式会社の講演について

この講演では、キリン株式会社 デジタルマーケティング部 部長 渡辺 尚武 氏と
株式会社シナプス デジタルマーケティングカンパニー ディレクター 村上 佳代 氏が
コンシューマーブランド企業のデジタルマーケティングでのデータ活用に関してお話頂きました。

コンシューマーブランドは、いわゆるBtoBtoC。ビール等の飲料水を製造しているキリン株式会社は、従来までマスマーケティングに注力していた為、最終的に消費者が自社製品を購入してくれたかどうかまで把握できていませんでした。

しかし、マーケティングにデジタルを融合することで、消費者の自社製品の購入の把握に成功。
なぜなら、テクノロジーやソフトウェアの進化と消費者のWebリテラシーの向上で今まで不可能と
思っていた取り組みの可能性が拡大していると感じているからです。

今までのマスメディアに頼ったマーケティング手法は、商品の購入前後のプロセスが見えていませんでしたが、デジタルを導入することにより、「マス×リアル×デジタル」で消費者の行動を可視化していく取り組みがスタートしました。

まず始めたのが、消費者個人のIDの特定。デジタルで接触した人がリアルで買ってくれたどうかが可視化出来るようになり、顧客特性をWeb上で把握出来るようになりました。

上記の取り組みによって施策から購入まで至ったのかの把握が可能になった結果、どの施策が消費者に刺さったのかを成果分析出来るようになりました。以下では、当日の講演で紹介頂いた3つの事例についてご説明したいと思います。

事例その①:氷結
2017年4月現在3つの氷結の新商品があります。その3つの氷結に関する動画施策を同時に実施。SNSなどで発信し、拡散していきました。SNSの中でもFacebookとTwitterでターゲット層を分けて投稿して違いを検証したようです。

上記のように、施策に接した顧客が購入したのかを計測した結果、意外にも驚く結果に。動画再生数KPIは達成したけれど、購入に繋がらなかった施策と、逆に動画再生数KPIは達成しなかったけれど購入に繋がった施策が出てきました。

一概に動画再生数が多いからと言って、それが購買に繋がるというわけではないようです。

また、購入してくれる人ほど、施策に接しているという結果も出ました。

事例その②:グリーンラベル/のどごし オールライト
グリーンラベルの「Green name」という、自分の名前にグリーン(自然)に関わる文字が入っていると自動的にその文字と関係するイラストが映し出される施策がありました。(下記図参照)
https://green-name.kirin.jp/

green name

この施策は、グリーンラベルの知名度・ファン化拡大やブランド価値の理解を深めてもらうことが狙いです。

自分の名前を入力するだけで、グリーンに関係する文字が動き出して上記の様に表記されます。ちなみに私も試してみましたが、4文字中2文字がグリーンに変化しました。

これは、FacebookやTwitterでシェアでき、またSNSのプロフィール・SNSカバー・PC用、スマートフォン用の壁紙にダウンロードすることも可能です。

シェアされることで、知名度が高まり、結果売上に繋がりました。

そしてもう1つ、のどごし オールライトでは「主婦の年収シミュレーター」という1日のどんな家事を行っているのかや時間を入力するだけで簡単に年収を計算してくれる施策がありました。

この2つの施策を比べてみると、明暗がはっきりと別れました。グリーンネームに関しては、主に女性に刺さって、多くの方がFacebookやTwitter上で拡散。その結果、購入に繋がる施策となりましたが、主婦の年収シミュレーターに関しては、結果に繋がらず支持を得ることが出来ませんでした。

事例その③:ハートランド
ハートランドとは、1986年に発売を開始した、麦とホップと水だけで作られた純粋なビールです。そのハートランドは、今までマスマーケティングを一切行って来ず、30年に渡りコアなファンの中で密かに人気な商品となっているそうです。

heartland

参照:http://www.heartland.jp/

ハートランドのラベルに表記されている上記の図のような大樹が、ハートランドのシンボルマークとなっています。

そして今回の施策では、そのシンボルマークの大樹を使って、ハートランドを扱っているレストラン100店舗と動画のコラボをしました。

「SLICE OF HEARTLAND」という、その大樹の断面図を100枚の手書きされたポスターを1枚1店舗に貼ってもらい、その1枚1枚のポスターを繋げた動画施策となります。
参照:http://sliceof.heartland.jp/

100枚のポスターが1本の大樹に繋がるのと同様に、ポスター1枚1枚を通して全国のお店と繋がっているように表現されました。今回の施策に関しては、ハートランドが好きという人に刺さった施策となったようです。

上記の3つの施策を行い分析した事で今まで不透明だった、施策から購買までの動線を可視化することで結果何が消費者に刺さったのか刺さらなかったのかを確認することが出来るようになりました。

また、現在色んな施策やキャンペーンが出る毎にメルマガを配信したり、FacebookやTwitterを投稿したりすることで、人によっては情報の出しすぎで「ウザい」思われるケースがあるそうです。

これを今後はパーソナライズし、一人ひとりに適切なコンテンツ配信をしていくのが理想であり、少しずつ改善していくことを目標としています。

2.最後に

今回この講演を聞いて私自身大変勉強になりました。他社が行っているマーケティングを聞いてインプットし、これを自社のマーケティング活動の参考になればと思いました。
a2iにご興味のある方は、コチラをご覧下さい。

気になる点等何かあればFacebookにコメントを頂ければと思います。
これからも、このブログを読んで頂ければ嬉しいです。
よろしくお願い致します。

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【編集担当:Asami】