歯科医院様、必読! ホームページ上の「ヒアルロン酸注入」「プラセンタ注入」の広告表現

投稿者:コンテンツ編集課

2013/07/30 13:58

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近年、口元の審美回復を目的として、「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」を導入される歯科医院様が増えています。その背景には、

「歯を失って口元にシワができてしまった」
「噛み合わせが悪化して口元がたるんでしまった」

など、歯科治療が原因による「容貌の変化」を改善したいというニーズがあり、歯科医院が美容医療の分野まで幅を広げることは、患者様にとってのメリットにつながっています。

そのような背景のなかで当社には、

「ヒアルロン酸注入のメニューを掲載したいけど、法律上どこまで表現していいの?」
「法に抵触しないようにライティングしてほしい」

といったご相談がよく寄せられます。

そこで、今回のコラムでは、「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」の治療メニューをホームページ上に掲載する場合の注意点について、説明していきたいと思います。

まずは歯科医師が診療できる領域を確認したうえで、「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」の広告表現について考えてみましょう。

歯科領域における「ヒアルロン酸注入」「プラセンタ注入」とは

「ヒアルロン酸注入」「プラセンタ注入」は、もともと美容クリニックで行われる美容医療の一つであり、施術範囲は口元や頬、鼻、目元など多岐にわたります。しかし、歯科医院で行う場合には、歯科医療の治療部位範囲において行う必要があります。

歯科医師が診療できる領域とは

平成8年に厚生省(当時)において開催された「歯科口腔外科に関する検討会」にて、歯科医師が単独で診療できる領域が意見としてまとめられています。

標榜診療科としての歯科口腔外科の診療領域について

標榜診療科としての歯科口腔外科の診療領域の対象は、原則として口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前3分の2、口腔底に、軟口蓋、顎骨(顎関節を含む)、唾液腺(耳下腺を除く)を加える部位とする。

歯科領域における「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」は、上記の診療領域に限り、歯科医師が単独で診療できる治療とされています。口唇周囲の組織は、歯科口腔外科の診療領域から外れることになります。ただし、口角や頬粘膜から針を刺し、頬へヒアルロン酸を注入する施術については、見解が分かれるところでしょう。

つまり、「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」の治療メニューをホームページ上で掲載する際には、口唇のみの効果にとどめるのが無難だと言えます。「口元のハリを取り戻す」「たるみを改善して口角を上げる」といった広告表現はOK。当然「目元のしわをなくす」「鼻筋を整えられる」といった広告表現はNGです。

ホームページ上の医療広告の指針(ガイドライン)

次に、「医療広告」の観点から考えてみましょう。

今のところ、医療広告の規制について定める医療法および医療広告ガイドラインは、原則としてホームページを規制対象としていません。

しかし、ホームページの情報から消費者が不利益を被るトラブルが多数起こっており、このような状況から、医療機関がホームページにも適正な情報を掲載するように促す指針が発表されています。

医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針

平成24年9月に厚生労働省は、「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針」を示しました。

これは医療機関のホームページの内容に関する規範になります。この指針はあくまでも自主的な取り組みを促すものであり、法的な強制力はありませんが、この指針に従ってホームページの掲載を行えば間違いはないでしょう。

主な内容

優良誤認を招くような比較表示 手術・処置等の効果・有効性の強調
体験談・患者様の声の強調 キャンペーン・割引等による不当な誘引
過度に不安をあおり、受診を勧める表現 公序良俗に反する内容
術前・術後の比較写真 事実を不当に誇張した表示
○○○センター等の表記 肩書きやスタディグループの表示
薬事承認外の機器の使用 有名芸能人やモデルの使用
医療法以外の法令で禁止されるもの

「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」の治療メニューをホームページ上で掲載する際には、患者様に誤解を与えるような過度な表現、誇張表現を控えたほうが無難。「見違えるほどキレイになる」「このまま治療しないとどんどん悪くなる」「デメリット・副作用はない」といった表現は避けましょう。

まとめ

「ヒアルロン酸注入」や「プラセンタ注入」の治療メニューを、自院のホームページで訴求表現する際には、歯科医師が診療できる領域とホームページ上の医療広告の指針をよく理解し、遵守することが大変重要です。

また、インターネットを医療広告の対象にすべきかという議論はたびたび起こっており、今後方針転換される可能性は十分にあります。

ですので、医療に関する各種法令の新情報をすぐにキャッチし柔軟に対応できるよう、常にアンテナを張っておくことが大切です。

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