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小川 悟(取締役CS本部長)

徹底した生産管理で顧客満足を追求するCS部門のリーダー

主に人材育成、生産管理、サービス体制の整備を行う。分業・専門化を進める傍ら、営業部門や取引先も巻き込み、各工程別ガイドラインの整備や業務の標準化はもちろん、前工程・後工程のスタッフを「みなし顧客」として成果のフィードバックを行い内部牽制を図るなど、徹底した生産管理を実践。また、一部広報業務も兼務している。座右の銘は「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」(『史記』/司馬遷)。
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カントリーリスクを踏まえ、ベトナム投資・進出時にチェックしておきたい工業団地、ハイテクパーク、ソフトウェアシティのご紹介 ~上半期総会を終え、「自己成長のためには新たな環境に自ら身を置くことが一番早い!」と感じた海外出張記~

2011年10月31日 07:58 PM

 投稿者 小川 悟

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Webサイト制作

考えてみてください。人としてあなたはどのように成長していますか。プロフェッショナルとしてあなたはどのように成長していますか。昨日より 今日のほうが人として進歩していますか。同僚や直属の部下をどのように仕事で成長させていますか。あなたはどのようにチャレンジし、自分の能力を伸ばしていますか。毎日何か学んでいますか。あなたが目指すビジョンはどのようなものですか。会社全体をどのように成長させようとしていますか。会社の成長を促すためにあなたができるあらゆることをしながら、また同時にほかの人が成長について理解できるように手助けしていますか。あなたは会社のビジョンを理解していますか。

/『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』(トニー・シェイ著)

 

10月に入り、当社も第11期下半期に突入致しました。

15日には、震災以降おこなえていなかった社員総会が約1年ぶりに開かれ、各拠点のスタッフとも久し振りの再会を果たせました。また、12年卒の内定者に向けた内定式もその中でおこないましたが、第二部の懇親パーティーでは若々しい雰囲気ですっかり溶け込んでいたようですので、早く一緒に仕事をできると良いなと感じました。

 

総会では、恒例の半期業績発表がありました。このような時期ではございますが、9月度の売上は過去最高、営業利益も10%超えができました。スタッフ一同で労い合うとともに、当社収益のほとんどがお客様から頂くお金で成り立っていることからも、改めて感謝の気持ちを全社200名超のスタッフ同士で共有することができた明るい総会になったように思います。

各部門ごとの進捗発表や表彰時、また、新規事業プランコンテストの発表時も、当社の今期経営テーマ「全員アドベンチャー」に沿ったポジティブな発言が多くみられました。

 

それから、9月末にはビジネス誌『ベンチャー通信 vol.44』(株式会社幕末様)に取材頂いていた記事が掲載され、私の見るCS本部を大きく採り上げて頂きました。

 

cf.『ベンチャー通信』(2011年10月号 Vol.44)に当社記事が掲載されました

http://www.freesale.co.jp/news/media/2011venture.html

 

CS本部はWebサイトのディレクターやクリエイター、SEO対策やアクセス解析、保守・改修作業を含めた納品後のサポート部門など、全社で90名以上のスタッフが所属しております。

ところが、創業以来、新規営業が強い会社と称して頂いたことはあってもCS部門が前面に出ることはなかなかなく、(私たちCS部門も、営業部門に負けじと切磋琢磨、協働関係を構築し続けてきた自負もありますので、)是非、これを機会に多くの経営者様に知って頂けたら幸いと考えております。

 

 

さて、今回のコラムの本題に移らせて頂きます。

9月末に引き続き、10月中旬にもベトナム・ホーチミンへ視察のため出張に行って参りました。今回の出張でも学び、視野が広がったことが多かったので、是非皆様にも共有させて頂きたく思います。

 

今回の出張時には、ご縁があって、ホーチミン市を代表するハイテクパークのSAIGON HI TECH PARK」(SHTP)、同様にソフトウェアパークのQUANG TRUNG SOFTWARE CITY」(QTSC)を訪れました。

 

両社ともに日系企業向け誘致については積極的であるのに、日本語版ページをお持ちでなかったため、当社の方で制作をさせて頂くことになりました。

ホーチミン市の産業集積エリアとして有名なところとしては、他にもe.townや、12の工業団地を含め、全部で18か所の輸出加工/工業集積地帯があります。ホーチミン市以外、ベトナム北部や中部の工業団地の情報については、以下に詳しいと思います。

 

cf. ベトナム北部・中部工業団地データ集(2011年6月)(「ジェトロ」)

http://www.jetro.go.jp/world/asia/reports/07000252

 

それから、13日には千代田区・ホテルニューオータニで「ホーチミン市における裾野産業・IT産業・ソフトウェア産業の投資促進セミナー」が開催され、ベトナムに1号店を開業されたイオンをはじめとした日系企業への投資ライセンスの授与式がおこなわれていたようです。

私は翌14日に目黒・八芳園で開催された「日越IT企業交流会」にお招き頂き、アットホームな雰囲気の中で、SHTP/QTSCの各社会長をはじめ、ホーチミン市副市長、ホーチミン市コンピュータ協会会長、ホーチミン市計画投資局ご担当者様、FPTジャパンご担当者様とお話しする機会に恵まれました。そこで、現状のホーチミン市の掲げている目標やIT産業の現況についてのご説明があり、質疑応答の時間も含め理解が増し、大変有意義な時間を過ごすことができました。この場を借りて、QTSC・Duputy CEOのLONG氏に厚くお礼申し上げます。

 

■日本勢誘致、中小に狙い カンボジア、ベトナムが優遇策(2011年10月18日,「Yahoo!ニュース」)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111017-00000000-fsi-bus_all

■ベトナム最新インターネット事情 2011年 ~人口8000万人、生産拠点としても市場としても注目を浴びるベトナム(2011年10月31日,「INTERNET Watch」)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20111031_487635.html

 

 

一方で今私が気になっていることは、先日NHKで放送された「クローズアップ現代」で語られた内容です。24日放送分のタイトルは「タイ大洪水 苦悩する日系企業」でした。まずは、お亡くなりになられた方、被災に遭われた方々、ご関係者にお悔やみ申し上げます。

 

東南アジア地域における水害自体は珍しいことではないと思うのですが、今回は50年に1度の規模の被害をもたらした大洪水と言われているのを聞き、私もタイには過去5回ほど旅行したことがあり、多くのタイ人の方に親切にして頂いたことを思い出しながら大変心配に感じています。とにかく、一刻も早い事態の収拾を願っております。

 

■【楽天株式会社】社会貢献活動│楽天クラッチ募金

http://corp.rakuten.co.jp/csr/contribution/

※東日本、タイ、トルコの災害支援の受付をおこなっているページ。

 

また、この番組をNHKオンデマンドの配信で見ながら、ふと、同番組先月5日放送分の特集「超円高に立ち向かえ ~海外進出の新戦略~」の内容を思い返していました。

 

20日時点でタイの工業団地7つが浸水、日系企業460社が操業停止に追い込まれたと言います。震災・円高の影響で海外進出を余儀なくされ、もしくは商機と捉えてアジア進出を決断した中小企業――、タイに進出した企業もあった筈です。

日本にいて自身の仕事だけに追われていると、いくらテレビや新聞などに目を移しても、こうした衝撃的な事実もなかなかリアルに伝わって来ないきらいがあります。

私が偶然にも業務の中でベトナム出張を重ねる中で、ほんの一端ではありますが、俗に「カントリーリスク」と呼ばれている事象に対する意識が芽生えたことで、今まで意識しなかったことについても強く意識するようになりました。

 

タイは日系企業進出の歴史も古く、特に製造業の分野では技術力の高い優秀な人材が多くいて、生産体制・ノウハウも蓄積されていると聞きます。

例えば、自動車メーカーで言えば、日本を代表するトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、いすゞはもとより、世界中の自動車メーカーが集積しており、90年代後半に起こったアジア通貨危機以降、タイ政府が優遇税制等を推進して海外からの直接投資を増やし、その結果、部品メーカーの進出なども増えて一層の集積化が進んだことで、結果自動車の生産量も増え「東洋のデトロイト(アジアのデトロイト)」と呼ばれるくらいになっています。

 

cf. 知っておきたいASEAN事情(1):再び注目を集める生産拠点としてのASEAN(2011年5月19日,「@IT MONOist」)

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1105/19/news004.html

 

そうした実績の積み重ねもあることから、日本でも東北で被災した工場の移転先としてや、円高により大幅なコスト削減を強いられての進出先として、あるいはお取引先様の進出に併せたやむなき選択肢として、一部中小企業の間でも進出を検討されたり、既に進出されていた企業もあったことと思います。

実際、番組内で公開された統計を見ても、震災以降は日本からの投資額が急増し、工業団地の用地も地価が急騰したようです。大手企業への打撃もさることながら、このような状況下で進出された中小企業にとっては経営を大きく左右しかねない事態ではないかと察しました。まして、製造業だけで言っても、このような番組には出てこない層の会社も無数にあると思いますし、まだまだ予断を許さない状況でしょう。

 

番組内では、タイでの洪水の影響が様々なことに及んでいるということについて言及していました。先述の自動車メーカーであれば、単に被災した自動車メーカーや、メーカーへ部品を納品する中小企業だけでなく、そこがボトルネックとなるが故に、被災していない企業への発注も停滞するという、サプライチェーン全体に損失が出るといいます。さらに、現代のようなグローバル経済においては周辺国にも影響が及ぶと言われています。日本で言えば、デジカメの発売延期、メガネのレンズの出荷遅れ、食品の減産による原価高騰etc...、対応に追われるスタッフの方々が映し出されていましたが、とても他人事には思えませんでした。

 

この世の中で起こっていることは巡りめぐって、少なからず自身にも影響を与えているようにも感じられてきます。まだまだ見聞を深めるというフェーズまではいっておりませんが、いつもと違った意識や目的を持って、いつもと違った仕事に関わると、辛く感じることも多いのですが、その分今まで見えていなかった世界が眼前に広がってゆくような感じがします。

同時に、おそらく「会社」というモノも、それ自体は「人」ではないので誰か個人の集合であると思うのですが、「なかの人」が新たな環境に身を置いてチャレンジを続けていく中で、「会社」自体がノウハウを蓄積し、強くなっていくのかもしれないと感じました。

 

私たちは、中小企業向けWebコンサルティングを提供し、その商品・サービス力の強化を推進しています。その中で、ふと強く思うことがありますが、Webサイト制作やWebマーケティングというのはひとつの手段であって、それ自体は目的にはなり得ません。

やはり、自身できるだけ多くの学びや体験をし、中小・ベンチャー企業経営者様の状況をより深く理解し、「Webというツール」を使って課題解決に向かって協働作業を生み出していくような仕事でなければならないと感じています。

 

そういえば、当社リードナーチャリングの一環として、既存のお客様向けにアンケートを実施させて頂いたことがあるのですが、直近では「インターネット系の企業に対してどのような印象をお持ちですか?」というご質問をさせて頂いておりました。

中小企業経営者様が普段どのように感じられているのか漫然と把握したかったのでオープンクエスチョン形式でご質問させて頂いておりましたが、10年来この業界におります私の感覚から致しますと、ポジティブな感想を持たれる経営者様が増えてきたことはもちろんですが、自社のビジネスと直結させて具体的な課題解決方法を模索されておられる方が増えてきているように感じました。

 

そうした中で、9月にGoogle社が以下のような内容のリリースを発表し、一部で話題となりました。

 

■グーグル、中小企業をITで支援する「みんなのビジネスオンライン」開始(2011年9月13日,「INTERNET Watch」)

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110913_477135.html

cf. Google有馬社長「インターネット産業こそが日本の経済を押し上げていく」(2011年10月20日,「INTERNET Watch」)

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20111020_484909.html

 

普段、私たちがお客様から相当額を頂いて構築しているWebサイトを、「無料で簡単に作成できる」という触れ込みで登場させたのですから最初は驚きました。しかし、リリースや他の記事をよく読んでみることで、なんとなくの意図の本質は理解できたような気がします。

それは、当社にとって脅威となるサービスであるというよりは、むしろ、記事中にもありますが、「ITで日本経済を支える中小企業を元気に」というコンセプトで始動したものであり、当社と全く同じ目的というわけでもないとは思いますが、Google社と同じ方向を向いてやっていけるんだ!という気持ちになったものでした。

 

cf. 『中小企業白書2011 ~第2部 経済社会を支える中小企業~』(PDF)

 

最後になりますが、改めて「中小・ベンチャー企業向けのWebコンサルティング」と一口に言っても本当に深い仕事だと思います。だからこそ、有意義なものであるとも思いますし、お客様も巻き込んでそうあらなくてはならない――、まさにそうした時代に突入してきたようにさえ思います。

 

下半期もより一層、いろいろなことにチャレンジし、まだ出会えていない多くの方との出会いを通じ、成長していきたいと思っております。それでは引き続き、宜しくお願い致します。

 

CS本部が取り組むWebサイトの品質管理(生産管理のQCDS)のご紹介(一部) ~米Appleスティーブ・ジョブズCEO退任のニュースで連想したこと~

2011年09月18日 02:17 PM

 投稿者 小川 悟

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Webサイト制作

フィールディングのCS向上への取り組みは、当初「障害半減」や「サイクルタイムの短縮」をテーマに始まった。そして、第二段階に入ったとき、「CSマインドの向上」を正面からテーマに掲げ、「サービス窓口における接客」や「電話応対」を重視するに至っている。

/『サービス品質革命 「顧客とともに、CSを超えて」NECフィールディングの挑戦!』(高橋安弘著)

 

先月8月24日の米Apple社スティーブ・ジョブズ氏のCEO退任のニュースは、日本でも様々なメディアで採り上げられましたね。

 

直前のニューヨーク株式市場で、米Apple社の時価総額は一時3430億ドルに達し、エクソンモービル社を抜いて世界一の企業になった矢先のことでした(ジョブズ氏退任のニュースで下落しましたが)。また、Apple社の現金残高は、米国政府よりも多く所有していたと言います。

 

まだApple社の業績が悪かった1996年のApple社復帰後から僅か15年で世界一の企業にまで押し上げてきた、言うまでもなく後世に名を残す凄腕経営者の一人だと思います。

 

cf.

・アップル、日米の96年度業績を発表(「PC Watch」,1996年10月17日)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961017/apple.htm

・Appleは米国政府より“金持ち” 現金残高が上回る(「ITmedia ニュース」,2011年7月29日)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1107/29/news058.html

 

スティーブ・ジョブズ氏は、以前も軽く触れましたが、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏や、Google会長のエリック・シュミット氏、「World Wide Web」(WWW)の仕組みを考案したティム・バーナーズ=リー氏などと同じ1955年生まれですが、この年は今になって思えば、PC/インターネット業界に大きな影響を及ぼすこととなる偉人を多く輩出した年だったのだなと思います。

 

Apple社が近年リリースしてきた製品群を振り返ってみても、インターネット業界の垣根を越えて、市場に対して大きな影響を及ぼしてきたと感じます。

 

cf.スティーブ・ジョブズが生み出したアップル製品を振り返る(「ギズモード・ジャパン」,2011年8月30日)

http://www.gizmodo.jp/2011/08/masterpieces-of-jobs.html

 

私も以前、このコラムの中で、iPhoneを購入したときに期待した体験について3点挙げたものでした。

 

1. クラウド(コンピューティング)への理解のための入門機としてのスマートフォン体験
2. UI (User Interface) 、UX(User Experience)、インタラクションデザイン等の理解のための体験
3. メディア(特に、広告媒体として)の可能性について消費者としての体験

 

小難しく書いてしまったかもしれませんが、これらおそらく多くの消費者がイメージするユーザー体験に対する期待は、(iPhoneやiPadなどが他のApple社の製品コンセプトと異なり全く新しい概念・設計で作られたものであったとしても、)それまでのApple社が意識してきた「カスタマー・エクスペリエンス(顧客経験価値)」によって育てられてきた消費者の感性を刺激した結果の所産とも言えるかもしれません。

分かりやすく言い換えれば、消費者が購入前に「なんだかよく分からないけど、きっとすごいものに違いない」と感じている状態とでもなりましょうか。

 

そんなApple社、すごいのは業績や製品ラインナップだけではありません。

実は、「ACSI (American Customer Satisfaction Index: 米国顧客満足度指数)」という米ミシガン大学ビジネススクールが開発した顧客満足度調査の、2010年のブランド別顧客満足度調査(パソコン分野)ではApple社が過去最高値を記録し、7年連続で1位となっています。

 

私も以前にApple製品を購入した際にサポート窓口を利用したことがありますが、勉強になる対応が多かったと記憶しています。米Apple社だけでなく、日本の窓口対応も素晴らしいと感じました。

このように、Apple社というのは、(一口で語れるものではないですが)製品に対してもサービスに対しても追求をし続けてきた企業なのだなという印象を受けます。

 

改めて、スティーブ・ジョブズ氏が生み出してきた付加価値のスケールの大きさには圧倒されるばかりですが、もちろんいくらワンマン経営だったとしても、一人で何もかもを作り上げてきたとは考えにくいですね。

 

トヨタ自動車で言えば大野耐一氏、松下電器産業(現パナソニック)で言えば中尾哲二郎氏、ソニーで言えば黒木靖夫氏といったように、経営者を陰で支えた技術者やデザイナーというのは、その分野を専門としている人以外からはなかなか見えにくかったりするものです。

 

Apple社の場合はどうでしょうか?

切り取る断面によって想起される人物は変わってくると思うのですが、ここではアラン・ケイ氏とドナルド・ノーマン氏を挙げてみます。

 

アラン・ケイ氏は、通称「パソコンの父」と呼ばれていて、1970年代に現在のiPadに近い「Dynabook」という構想を描いた学者で、これが後にスティーブ・ジョブズ氏がMacintoshを生み出すきっかけとなったと言われています。ちなみに東芝の「ダイナブック」は、これを由来としています。

 

一方、ドナルド・ノーマン氏は、著書『誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論』などで有名な認知科学者で、Webサイトのユーザビリティ研究者として有名な、ヤコブ・ニールセン氏(cf.ニールセン博士のAlertbox/株式会社イード運営)と共にニールセン・ノーマン・グループという会社を設立しました。

 

このご両名には、一時、米Apple社でフェロー(特別研究員)として働いていたという共通点があります。

 

さて、前置きが長くなりましたが、ここで当社で提供しているWebサイトの品質管理の一部をご紹介させて頂きます。

 

あることをしたのに一見なんの結果も起こらないと、その行為がなんの効果ももたなかったかのように結論しがちだ。そこで、もう一度やってしまう。

/『誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論』(D.A.ノーマン著)

 

これは先に紹介した本からの引用ですが、こういった経験ってたまにありませんか?

 

Webサイトで例えると、だいぶ昔からよくある問題ですが、メールフォームの送信ボタンや、ECサイトの購入(決済)ボタンを2回押してしまう行為等です。画面が切り替わるのが遅かったり、送信中であるという何かしらの表現が表示されないと、ユーザーは「きちんとボタンが押されて(クリックできて)いなかったのかな?」と勘違いして再度押してしまう。そうすることで、2通同じメールがいってしまったり、場合によっては重複決済されてしまったりしてしまうというものです。

 

こうしたWebサイトのコンバージョン(成約)に直結するような重要かつ、ヒューリスティックなアプローチで解決できることに関しては早くから整備をおこないました。広義で言えば、「情報デザイン」、「インタラクションデザイン」、「ユーザーエクスペリエンスデザイン」に括られる分野の話なのかもしれませんが、狭義で言えば、例えば「EFO(Entry Form Optimization=エントリーフォーム最適化」といった施策があります。

 

以下、当社の公式サイトのお問い合わせフォームをご覧ください。

https://www.freesale.co.jp/inquiry/form01/fmail.cgi

 

最初の設問のチェックボックス部はクリックすると背景と色差のある色を表示させてクリックされたかどうかを分かりやすくしてあります(iPhone版も同様)。フリガナも情報として頂きますが、ご担当者名を入力するとフリガナが自動反映されるようになっており、極力入力される方のストレスを減らすようにしています。半角数字で入力頂きたいところは、本来IMEコントロールを行い自動的に半角数字モードに切り替えたいところですが、様々なブラウザに対応させるために、カーソルを外すと全角数字で入力したものでも半角数字に自動変換されるようにしています。入力漏れがあった際にも分かりやすいようにしてあります。

 

他にも、見た目には分かりませんが、制作者視点で工夫がしてあります。例えば、メールフォーム上で実際に表示されている設問項目名と、メールが送られた際に管理者に届くメール内の項目名とが一致するようにシステム化しているので、制作者のミスで不一致となるようなことはありません。

 

皆さんの会社のWebサイトのメールフォームはどうなっていますか?

そのメールフォームを使用する人が、どれくらいインターネット利用に熟練した方が主となるのか分かりませんが、なるべく手間や疑問は与えたくないですよね。

 

当社ではこのメールフォームを「Fmail」と名付けて自社開発しました。

毎月100サイト近くのWebサイトを制作・納品しておりますが、その影響を考えると、他社が配布しているメールフォームプログラムの企業ライセンスを取得して提供したり等他社依存となったり、Webサイトの制作者に個人依存した設計となっていると、お客様に対してより良いものが提供できない可能性があるからです。

また事故が増えるということはそれだけ対応に要する時間がかかるということで、結局は当社側に負担があるのはもちろんのこと、巡り巡って既存のお客様に提供でき得る時間を削ってしまうことになるので、予測できる事故(不良)が出ないような仕組みにすることは大変重要だと考えています。

 

お客様のITシステムで故障が起きた場合、速く解決して怒るお客様はいない。そして、コスト面からは、早く修復すればサービスにかかるコストはそれだけ安くなる。CSの向上と業績の向上は、両立するというよりも、ダイレクトにリンクしているのである。キーワードは「スピード」である。

/『サービス品質革命 「顧客とともに、CSを超えて」NECフィールディングの挑戦!』(高橋安弘著)

 

もちろん、納品前には機能面でエラーがないかどうかチェックをする専門工程を設けています。

error.jpg

 

上記はCS本部内の暗黙知を共有するための社内向けポータルサイトのキャプチャーです。

以前にこのコラムで書いた、リクルート社の「ナレパラ」に想を得て開発・運用を開始したものです。

ここで紹介しているページの内容ですが、納品前チェックの工程で、QC(Quality Control=品質管理)チームの専属スタッフが、決まった項目を検査していくのと同時に修正を行います。検査合格したWebサイトは、お客様への納品時に送付されるWebサイトデータが入ったCD-Rジャケット部に添付されるチェックシートにチェックが入る流れとなっています。

 

・ヒューリスティック評価法の99%は間違っている? /HCD-Net通信 #15(「Web担当者Forum」,2009年8月19日)

http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/08/19/6058

 

提供するWebサイトの規模や予算の都合もあって、一般のユーザーに設計上の問題を指摘してもらうユーザーテストまではおこなっていませんが、上記のように定期的に品質管理チームからWebディレクター側へフィードバックを返すことで、同じミスを繰り返さないような工夫をしています。

 

他にもいろいろ書きたいことはあったのですが、長くなってしまうので、この辺で終えたいと思います。

 

このようにして、当社CS本部では、「生産管理のQCD」として、ISO9000やプロジェクトマネジメントの考え方の基本(cf.「PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)」)などにもあるように、製造業とは異なるものの、QCD――、すなわち、品質 (Quality)、コスト (Cost)、納期 (Delivery)が回るように各担当責任者がしっかり管理するという方針をとっています。

 

また、冒頭でもApple社を引用しましたが、Webサイトも製品とすれば上記のような品質管理基準があるのは当然かもしれませんが、Webサイトが難しいのはその後の運用があるということです。

もちろん、例えばiPhoneや、Webシステムのように、納品後も保守や瑕疵担保責任が発生することはありますが、当社の場合はその後も長くお付き合いをしてゆく前提でご契約頂くため、お客様がそのWebサイトから何かしらのベネフィットを得て頂かないとメリットを感じて頂けません。

乱暴な言い方をすれば、通常の製品を購入してうまく使いこなせなかったり飽きてしまった場合、高額なものなら我慢して使い続けたりするでしょうし、安価なものならそのままにしておいてしまうと思います。

企業のWebサイトとなり、保守・運用も費用対価を頂いて提供してゆくとなると、初期出荷状況が良ければそれで良いということにはならず、その後も市場変化に応じて様々なアドバイス、改善提案を続けていくことが求められてきます。

 

「QCD」だけ徹底していても解決されないため、CS本部ではそれらに加えて「S」についても注力してゆくこととしました。

 

この「S」は、製造業等で言えば「安全(Safety)」になるのですが、当社の場合は「サービス(Service)」と定義付けました。「サービス」分野についても他の業種にまで目を配れば、十分に管理、科学、イノベーションされたものが存在します。

Web業界でも採用できるスキームがあれば、当社では積極的に採用してきました。まだまだ発展途上の部分もありますが、「S」部分の紹介についてはまた機会を得た際にでも。今回のコラムはこの辺で。

 

企業にとって、消費者や顧客との関係を強化し、その関係を長期間にわたって維持することは、その企業と長い間取引をしてくれる消費者や顧客を増やすことでもあるので、極めて重要なことであることは言を待たない。では、企業が消費者や顧客との関係を強化したり、長期間維持したりするにはどうすればいいのだろうか。これには、企業が消費者や顧客との間で、常にリレーションシップを図る以外に方法はない。そして、企業がこの重要なリレーションシップを図る方法の一つが、電話の機能を利用したコールセンターの設置なのである。すなわち、コールセンターとは、電話を使って消費者や顧客の開拓や接触を行う専門の集中化された機能を持つ組織のことである。かくして、コールセンターは、消費者や顧客が必要なときに、気軽に問い合わせをしたり、相談したりできる機能と、企業側で任意に選んだ消費者や顧客に対して、見込み客を開拓するためのアプローチができる機能の二つの機能が統合されていることが必要であるとともに、大量にかかってくる電話に対する迅速な処理能力と消費者や顧客のいろいろな相談ごとや要求に対応していける高度な業務処理スキルを持った担当者の配置とコンピュータによる情報処理能力を備えていることが必要条件となる。

/『「顧客の声」を天の声にする会社―売りっぱなしは許されない! 花王の「消費者相談窓口支援システム」に学ぶ』(小西一生,禰津時男共著)

Webサイトにおける横幅サイズ最適解を求めるための試論 ~不易流行の情報デザインに触れる秋のデザイン週間~

2009年10月28日 10:59 PM

 投稿者 小川 悟

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Webサイト制作

事実上、どんな場合でも、ウェブサイトは「セルフサービス」製品だ。あらかじめ読んでおく取扱説明書もないし、トレーニングセミナーもない。サイトでユーザーを案内してくれる顧客サービスもない。ユーザー自身が、勘と経験を頼りにサイトと直面するしかないのだ。

/『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」 5つの段階で考えるユーザー中心デザイン』(Jasse James Garrett著,ソシオメディア株式会社訳)

最近肌寒い日などもあり、ようやく秋めいて?きたように思います。

秋は「芸術の秋」とも言われますが、毎年秋になると個人的に楽しみにしているイベントがあります。まず一つが「東京デザイナーズウィーク」です。公式サイトから抜粋しますと、「国内外から1,000を超える企業・学校・大使館・デザイナー・ショップなどが参加し、最新のデザインを紹介する、今年で24年目を迎えるインターナショナルなデザインイベント」ということで、メイン会場である明治神宮外苑とその周辺を巡るだけでも十分楽しめるイベントだと思います。普段は意識していないがために目に留まらなかった「デザイン」を発見したりということもあります。他にも、場所を六本木に移せば「DESIGNTIDE TOKYO」が開催されますし、神田・神保町なら今年で第50回を迎える「神田古本まつり」が開催されます。さらに今年・今月に限って言えば、(自分はまだ行けていないのですが)ビッグニュースなのが、千鳥ヶ淵から広尾に移転後リニューアルした日本画専門の「山種美術館」と、南青山と西麻布のちょうど間くらい、閑静な街並みの中でひっそりと建つ「根津美術館」の三年半越しのリニューアルオープンでしょう。後者の建築を手掛けたのは、現在のサントリー美術館を設計した隈研吾氏ということで、建物を見るだけでも楽しめそうです。私が以前訪れたのは、リニューアル直前の2005年10月頃でしたでしょうか、ちょうど尾形光琳作の国宝「燕子花図屏風」が公開されていたときでした。本作品は、いわゆる「琳派」の中では、俵屋宗達の「松島図屏風」と並ぶ有名作品です。この二つの美術館の開館によって、17世紀中期から後期にかけて、まだ三井家など企業体のパトロンが登場する以前の、江戸の職人・工芸文化が華やいだ時代の日本の芸術作品に触れることができる秋になりそうですね。

 

――と、秋到来に気分が高揚してのっけから自分の趣味の話題になってしまいましたが、もう少し続けさせて下さい。先の琳派を代表する二人の画家、俵屋宗達や尾形光琳の生きた時代――、その後、前代の桃山文化を継承し、寛永、元禄、化政と、文化芸術が華やいだ江戸文化が台頭する時代に突入していきますが、この時代にもやはり現代に名を残す著名人が現れました。その一人が松尾芭蕉です。

cf.財団法人 江東区地域振興会 芭蕉記念館

http://www.kcf.or.jp/basyo/

松尾芭蕉と言えば、紀行文の『奥の細道』が有名ですが、今年2009年は松尾芭蕉が弟子の曾良を連れて江戸を発ってから320年と言われています。少し前に発売された雑誌「一個人」の特集は『「奥の細道」を旅する』でしたが、私も今から5、6年ほど前に、夏季休暇を利用して当社専務と「奥の細道」の軌跡(の一部)を辿る旅行をしたことがありました。飯坂温泉駅前の芭蕉像の前で記念撮影したり、芭蕉も旅の疲れを癒したと言われる飯坂温泉周辺の「鯖湖湯」に立ち寄ったものの湯温が熱過ぎて入れなかったこと、松島の遊覧船でカモメが飛びながらエサを食べる器用さに驚いたこと、最上川を舟下りした際に船頭さんが話してくれた「おしん」の話、出羽三山の一つ羽黒山にあった三神合祭殿の造り(茅葺屋根の厚さや総漆塗りの内部)に圧巻されたこと、山寺(立石寺)で蝉の声に耳を澄ませたことなど、今でも新鮮に思い出されます――。

 

そんな芭蕉が言ったとされる有名な言葉・考え方に、「不易流行」(cf.「不易流行 - Yahoo!百科事典」)というものがあります。簡単に言えば、「不易」が時代を経てもその価値が変わらないもので、「流行」は時代と共に変わってゆくもののことを表現していますが、芭蕉はこれら二つは表裏一体のもので、統合されるものと考えていたそうです。これと一緒にしてはいけないのかもしれませんが、ふと、私たちが携わっているWebコンサルティングやWebマーケティング、Webデザインなどの世界においても言い当てていることがあるのではないかと感じたことを書いていきたいと思います。 

 

ここでようやくタイトルにある「Webサイトにおける横幅サイズ最適解」の話になります。先に書いておきますと、結論として未来永劫これがベストだという横幅サイズはありません。なぜこのようなことを言うかと言いますと、まずは下の図をご覧下さい。

 

res0001.jpg

 

これは、当社が提供する、歯科医院の検索・予約ができるポータルサイト「歯科タウン」をモデルケースとして、実際に訪れたユーザーがどのくらいのサイズの表示域でブラウザを開いているかを調査したものとなります。当社クリエイターが試験的に行ったものなので、サンプル数は多くありません。左の数値は横幅サイズを降順で並べたもの(上位一部)で、右のグラフが一定の範囲ごとに集計した統計となります。

意外だったのが、多くのユーザーが予想以上に高解像度のブラウザで閲覧されていることでした。また、画面を最大化(中にはブックマークなどのサイドバーを表示)して見られている方が多いようです。ここで「解像度」と言うと語弊もあるので、今回のコラムでは「画面解像度」(cf.「画面解像度 - Wikipedia」)のことを指して言うことにします。閲覧したユーザーが使用しているディスプレイの解像度だけを調べたいのであれば、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールにある「画面の解像度」を見れば分かります。今回は、実際利用されているディスプレイが表示している解像度の画面の中で、ユーザーが具体的にどのくらいの大きさにしてWebサイトを閲覧されているかを知りたかったと当社クリエイターが言っていました。クリエイターも自己満足でWebサイトを制作しているわけではないので、納品したお客様からだけでなく、実際にもっと多くのアクセスをされてくるお客様のお客様(エンドユーザー)からどのような見られ方をされているのかが気になるようです。

このアクセスのあったディスプレイの解像度、及び実際の表示サイズから想像される現在のトレンドは、およそ以下の順となりました。

1.1280×1024(SXGA,5:4)

2.1024×768(XGA,4:3)

3.1280×800(WXGA,16:10)

4.1680×1050(WSXGA+,16:10)

5.1440×900(WXGA+,16:10)

※6以降省略。左から、「ピクセル数」、「通称名」、「縦横比」となります。

通常Webサイト制作は、この「ピクセル」(cf.「ピクセル - Wikipedia」)(または%)を単位として構築されます。例えば、ディスプレイの表示を100%から変更しないで閲覧している前提で、1.の1280を例にすると、画面横幅いっぱいのサイズが1280ピクセルということになります。ですから、横幅400ピクセルはどのくらいの大きさになるかというと、画面の横幅の約3分の1くらいの大きさということになります。しかし、この大きさの画像を4.の1680サイズのディスプレイで閲覧すると、画面の横幅の4分の1よりも小さく見えます。

 

10月22日午前0時、先代の「Windows Vista」発売から2年9ヶ月、その前の「Windows XP」発売からちょうど8年を経て、新OS「Windows7」が発売されました。多機能・高機能化が進み、同時に大型ディスプレイの低価格化が進んだことで一般家庭まで普及し、文字通り「デスクトップ」画面はオフィスや家庭における「机上」と同意となり、様々なタスク(作業)を同じ平面上で行うことができるようになってきました。上記にある「16:10」は一般的なワイドディスプレイの規格ですが、この普及は家庭でパソコンを通じてテレビやDVDの閲覧をされる方が増えてきたことを示しているのかもしれません。ディスプレイサイズは、置き場所や使用者との距離の都合限界があると思いますが、近い将来、このくらいのサイズのディスプレイが今以上に普及してくるかもしれません。このくらいのサイズになると、画面の初期設定の横幅は最低でも1280くらいにはなっていると思います。

これらのトレンドの遷移とWebサイト制作がどう関係してくるのかと言いますと、ユーザーが実際に開いている解像度以上の横幅サイズでWebサイトを制作すると、横スクロール用のバーが表示されてしまうことになります。この横スクロールはWebサイトのユーザビリティを著しく損なうと以前から言われてきました。かと言って、小さめ小さめに構築(特に左寄せのレイアウト)すると、高解像度のディスプレイで表示した際に貧弱な印象を与えてしまいます。場合によっては「リキッドレイアウト」(ウィンドウの幅に合わせてレイアウトの最大幅が変わるように、ピクセルではなく%で設計する方法)で組んだ方が良いと言われることもあります。つまり、時代の流れに合わせて、ベストな横幅サイズは微妙に遷移していくのではないか?といった仮説を立てることができます。

 

この「Webサイトの横幅についての議論」は、今に始まったことではありません。ネット上でも多くの企業が試行錯誤していたり、Webデザイナーがブログで持論を展開していたりしています。例えば、私たちが「やはり、現状の社内の制作ガイドラインを疑い、そろそろ考えていくべきだ」と話題になったきっかけとなった以下の記事があります。

cf.So-net、トップページを4月1日よりリニューアル(japan.internet.com,2008年4月1日)

http://japan.internet.com/busnews/20080401/3.html

ここでは、「ユーザーの利用環境に合わせ画面サイズの横幅を拡張することで、情報を一覧で表示」と書いてあります。他にも、各社ポータルサイトなどで一斉にリニューアルが行われたのもこの時期でした。

cf.

・リニューアル続出!ポータルサイトに何が起きたのか?その異変に迫る(MarkeZine,2008年4月21日)

http://markezine.jp/article/detail/3340

・総務省報道資料 総務省ホームページのリニューアルについて(2008年4月21日)

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080421_2.html

こうした一連の記事に目を通すに、私たちが意識しなくてはならなかったことが、Webデザインおいても、「時代とともに変わるトレンド」、「ユーザーのニーズ」、「対象となるサイトの利用目的」など、マーケティングの観点から変えてゆく必要があるものがあることと、冒頭にも引用した『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」 5つの段階で考えるユーザー中心デザイン』にもあるように、「常に利用者のことを意識して設計する」という不変的な考え方を持ってWeb制作に取り組む姿勢が必要だということです。

ブランドはサイトのデザインで作られるわけではなく、あくまで企業やそのサイトが顧客に約束した「価値」で作られる。ウェブサイトだからといって突飛なデザインにすることなく、企業として、サイトとして顧客にどんな価値を約束するのかといった上位の概念からデザインの方向性を検討する。

/『ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践』(株式会社ビービット,武井由紀子/遠藤直紀著)

 

最後に、冒頭の方でご紹介した「東京デザイナーズウィーク」の話をして終わりにしたいと思います。メイン会場では、企業もそうですが、美術系の学校や専門学校に在学中の方が自作の作品を展示されています。「これはどういう意図で創られたんですか?」と聞くと、ほとんどの方がその「制作意図、根拠」をしっかりと説明してくれます。これがWebサイト制作で言うところの「コンセプト」にあたります。専門課程でしっかり学ばれている学生さんの知識やわだかまりのない意思は、私も大変刺激を受けることがあります。

「情報デザイン」と言うと専門的な話になりやすいですが、大概デザインは情報を有しています。海外旅行に出掛けた際にたとえ外国語の知識がなくても、トイレで男女の区別がつかなくて困るというケースは少ないと思います。また、雨の日にお店の軒先に傘立てが置いてあれば、誰しもが迷うことなく傘を差しますよね?まさか店員さんに「これはなんですか?」と聞くことはないと思います。D.A.ノーマンの『誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論』になぞらえて言えば、「傘立ては傘を立てることをアフォードする」とでもなりますでしょうか(cf.「アフォーダンス - Wikipedia」)。

cf.情報検定:J検 情報デザイン試験/(財)専修学校教育振興会 検定試験センター

http://jken.sgec.or.jp/guide/jdesign.html

「情報デザイン」については、当社が加入している日本ウェブ協会の理事長を務められる森川眞行氏(cf.「森川眞行 - Wikipedia」)が専門ですので、専門外の私がご説明差し上げるのも誤った解釈があっては良くないのでこの辺にさせて頂きたいと思いますが(汗)。

 

以上、私が見るCS本部は、改めてのご説明となりますが、Webサイトの設計を行うWebマーケティング部と、実際に構築を行う制作部とに分かれます。分業することで専門性を高める機能別組織(「ファンクショナル組織」/F.W.テイラー)となっていますが、今以上に品質を高めていく必要があるため、双方の組織にはもっと横串を通すべきだと考えています。もちろん今でも意識の側面では連携はうまく取れていますが、知識や技術といった実務的側面ではまだ課題が残ります。

こうしたギャップを埋めるため、現在、日本ウェブ協会主催の勉強会、「ウェブ開発プロセス」への理解へ部員が何名かお世話になっています。今後もこうした仮説検証と学習、実践によって個々人の能力を高め、お客様へより高付加価値のサービスが提供できるよう努力していきたいと思います。

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「Web戦略立案シート」のご紹介 ~管理者合宿研修を終えて、情報共有(ナレッジ・マネジメント)の社内推進を心に決める~

2008年09月 8日 12:50 AM

 投稿者 小川 悟

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Webサイト制作

職場から生まれた知を、事業部全体で使えるような資源にしていくという、ナレッジマネジメントを本気で実現していくためには、一つのシステムを、いままである業務フローののなかにぽんと置けばよい、というものでは全然ない。事業のフロー自体を再構築して、ナレッジが無理なく共有され蓄積されていく組織風土をつくっていかなくてはいけない。それが私たちの得た結論です。システムというのは、結局、そのフローのなかで使いこなされる一つの道具だと思うんです。
/『リクルートのナレッジマネジメント―1998~2000年の実験』(リクルートナレッジマネジメントグループ著)

 ――「やっぱり、"ありがとう"って言われるのって、うれしいよね。最近そういうことって、ちょっと忘れられてない?」

  かつて、そんな会話がやり取りされる職場がありました。

 これは冒頭のエピグラムでもご紹介した、リクルートのナレッジマネジメント―1998~2000年の実験で語られる、元祖ベンチャー企業、リクルートの主任以下の社員たちが、独自の社内情報共有システム「ナレパラ(ナレッジ・パラダイス)」を必需によって生み出し、運用にまで至るエピソード中に出てくる登場人物たちの会話の一つです。今からもう、10年も前の出来事ですね。

 「リクルートはもともと営業の強い会社なんですよ。役員や本部のE職たちもみんな営業現場からのたたきあげ。それも人並み以上の業績をあげてきたから今日の立場があるわけで、目に見えないところに大きな顧客の不満やアンチ・リクルートの芽があることなど実感がなかったのです」といったくだりもあり、私の前職時代、ちょうど社会人になって間もない頃の環境と酷似していたこともあり、バイブルのように読んでいた本です。

 仕事のモチベーションは「契約と報酬」という関係だけでなく、「ボランティアと感謝」みたいなものも存在する。と登場人物たちが言います。リクルート出身で、現在、株式会社リンク アンド モチベーションの代表取締役社長を務められる小笹芳央氏は、これを発展させた、「経済的報酬」ではない「意味的報酬」といった概念で説明されています。社員一人一人のモチベーションを会社のモチベーションとして置き換えたとき、もちろん売上を上げて利益を残し、次への投資と充てることは企業活動の全うすべき使命だとは思いますが、この意味的報酬に対するモチベーションを全く感じなくなってしまってはいけないと常々考えていました。 

 社会人になってしばらくして、仕事に慣れてくる頃になり、担当顧客数や社員数が増え、売上が伸び、ステークホルダーが拡大し、仕事が複雑化してくると直面する問題に対し、何かと救いを求めるのが「システム化」でした。しかし、システムや論理的思考には今以上に疎かった当時の私は、業務フローに対する理解もないまま、それが全てを解決してくれるものだとずっと思い込んでいました。そんな折、本書で出会った言葉、「システムは一つの道具」――、当時の私はその言葉を反芻しながら、それが何を意味しているのか、少ない社会人経験の中で思い当たる節を探そうとしていたのかもしれません。

 

 さて、話は変わりますが、先週の土・日は、当社創業以来初の合宿形式のセミナーがありました。取引先であるコンサルティング企業様から講師をお招きし、管理職を対象に実施されたものでした。管理者向け研修と言うと、今までにも何度か参加させて頂いたものですが、合宿形式というのは初めてのことでした。参加したメンバーは、皆一様に楽しかったと感想を述べ、週明け月曜日から早速実践に活かそうとして、習いたての言葉や行動習慣を実務に持ち込んでいました。

 今回の合宿では、各部門で様々な自部署の課題を見つけることができ、各部門ごとに課題と解決策の発表を行いましたが、共通していた一つが、この「情報共有」でした。その重要性については誰もが理解しているのに、どうしても思うようにいかない。高度な組織力が求められていることを、何となく認識されられていました。

 

 セミナーでは、デーヴィッド・A・ナドラーの組織論の説明から始まり、「3C分析」「SWOT分析」などで自社や自部署の方針の確認をして「顧客」や「顧客の顧客」の理解をしました。そして後半は部門ごとに分かれて、自部署の掲げる今期のゴールビジョンに合わせた取るべき方針と優先順位付け、そして具体的なアクションプランについて話し合いました。

 私たちCS部は、自社で展開するWebコンサルティングサービスのソリューションの提供にあたり、進化論の過程のように「必要とされてきた組織」を形成してきました。

1、営業(プロデューサー)
2、Webディレクター
3、ライター
4、デザイナー
5、コーダー
6、QC
7、SEO
8、コンタクトセンター

 上記の2以降の組織をCS部でカバーしています。まさにお客様へ納品する成果物の品質を決定付ける組織である必要があり、求められるレベルのクォリティを満たすためにある程度分業化(専門化)をする必要がありました。各部門ごとにポリシー(方針)を決定し、当社独自のガイドラインの整備に勤しみ、品質保証のでき得るクォリティを達成する必要がありました。

 これが私たちCS部の生命線でもある独自の生産ラインです。ところが、各部門がプロフェッショナルの仕事を全うしてくれるのは良いのですが、営業や管理部門など、各部門の連携が図れていなければせっかくの生産ラインも単なる意思疎通が難しくなった非効率な組織でしかありません。

 そこで生まれたのが、当社がWebコンサルティングサービスを提供し始めた3年程前に考案され、今も社内全体で運用されている品質管理のためのツール、「Web戦略立案シート」です。

Web戦略立案シート.jpg

 お客様への提案時に準備する、お作りする予定のWebサイトのラフ案(ワイヤーフレーム)サイトマップ(ディレクトリマップ)制作スケジュール(ガントチャート)以外に用いる社内専用の情報共有ツールの一つです。

 先ほども挙げたCS部の生産ラインは、実に1クライアントにつき7部門に渡ります。言わば駅伝のように、各自持ち前の区間を全力疾走するのは良いのですが、タスキ(バトン)にあたるものがなければ、次の走者に情報を伝達することができないというのがボトルネックとなっていました。そもそも、こうした分業制の仕事において、初期の指示や方針を納品まで徹頭徹尾遵守するためには、ディレクターの存在も大きいですが、一貫した方針がなければ要件がぶれてしまいます。

 そこで登場したのが、この「Web戦略立案シート」です。お客様との打ち合わせの際に用いることのあるヒアリングシートを元に、営業やディレクターがこのシートを埋めていきます。各工程でこのシートを確認しながら制作にあたるので、たとえ伝言ゲームのようになった情報伝達経路においても、初期の要件から外れた成果物を制作しないようにすることができると考えたのでした。

 

 当社の行動指針には、「常に約束(顧客・仲間・社会)を守り続けます」というものがあります。
 当たり前のことのようでありながら、昨今では社会との約束を守れない企業が多くニュースで報道されています。社会との約束が守れないような企業は、もちろん顧客との約束も守れないでしょうし、仲間との約束も守れないのだと思います。私たちは、これらステークホルダーは三位一体のものであり、すべてのステークホルダーとの約束を守ってこそ自身の品質方針を貫けるものだと考えています。

 一つ一つの約束を守り、それを継続してゆくことが、やがて信頼に繋がり「商(あきない)」に繋がる――。これが商売の鉄則だと思います。今回は、当社で使用している「Web戦略立案シート」を一例として挙げましたが、私たちの考える「情報共有(ナレッジ・マネジメント)」の究極の目的は、もちろん社内の業務効率化などもありますが、お客様との約束を守るため、そして顧客満足度の追求のための一貫だということをお伝えできればと考えます。

 正直、まだまだ改善の余地は十二分にあると思っています。顧客満足度向上のための取り組みは果てなく続けていきます。これが当社CS部のミッションステートメントに掲げた方針の一つであり、最優先に考えている取組み方針です。

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