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コンサルタントの紹介

小川 悟(取締役CS本部長)

徹底した生産管理で顧客満足を追求するCS部門のリーダー

主に人財育成、生産管理、サービス体制の整備を行う。分業・専門化を進める傍ら、営業部門や取引先も巻き込み、各工程別ガイドラインの整備や業務の標準化はもちろん、前工程・後工程のスタッフを「みなし顧客」として成果のフィードバックを行い内部牽制を図るなど、徹底した生産管理を実践。また、一部広報業務も兼務している。座右の銘は「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」(『史記』/司馬遷)。
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人財育成広報宣伝生産管理

「将に将たる器」を有した人財育成・輩出装置としての社員総会 ~自身の殻を破るための"秘密の鍵"を探すトポスとしてリフレーミングする~

2010年07月 4日 11:24 PM

 投稿者 小川 悟

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たとえば、商品やサービスの需要が減って売上が落ちてしまうと、何をしてもムダというあきらめムードが社内に漂います。せっかく提案された新しい商品企画や販売手法に対しても、初めから無理な理由やできない言い訳を探すように探すようになります。心理学で「学習性無力感」といいますが、無力感には蔓延作用があるのが厄介です。無力感が蔓延しているような組織に成長は望めません。

/『ヒットを生み出す最強チーム術 キリンビール・マーケティング部の挑戦』(佐藤章著)

昨日、3日は前回に引き続き四半期に一度の社員総会がありました。各拠点から同僚たちが集まり、いつもどおり各部門方針の進捗を共有したり、昇格者や表彰対象者を祝い合ったり、懇親会でお酒を交わしながらコミュニケーションを深めたりしていました。

 

■(写真)第二四半期社員総会・第二部懇親会の一幕

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私が見ているCS部門の一部のメンバー間では、年齢も近いせいか、普通の会社に比べると普段からお酒を交わす頻度が異様に高いと思います。昔ながらの「飲みニケーション」の文化が自然と根付いているのかもしれません(もちろん200人規模の会社なので全員が全員そうであるというわけではありませんが)。

 

先月もワールドカップで日本代表を応援するために、カメルーン戦は仕事帰りに恵比寿にある某レストランに行って大型スクリーンを見ながら盛り上がり、デンマーク戦のときは会社からタクシーで1メーター程の場所にある居酒屋の個室を半貸し切り状態で大型テレビを見ながら観戦していました。

スポーツや戦争はよく仕事にも置き換えて言われることがありますが、今回のワールドカップや社員総会を通じて同僚とお酒を交わす中で諸々考えたことなどをお話できればと思います。

 

それまで敗戦が続いた岡田監督や日本代表へ対する期待度・支持率が、その後勝ち進むに連れて急激に回復してくる世論の統計を何かの記事で見ながら、「やはり世の中、そういうものか……」と、つられて改めて身が引き締まる思いになったものでしたが、ちょうどそのように考えていた頃、CS本部の松谷が「お取引先様から教えてもらった記事ですが」と共有してくれた記事に今さらながら目を通し、共感する部分が多かったのでご紹介したいと思います。

 

cf.岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは(「Business Media 誠」,2009年12月14日)

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0912/14/news010.html

 

この記事の中で岡田監督が、「指導者としての自分の限界を破りたい」 と思い立ち、「秘密の鍵」を探し求めるくだりがあります。この感覚は、仕事を長くしていると私たちも深く考える局面に立たされることがよくあると思います。私の場合は、月並みですが、上司や同僚とのコミュニケーション、外部セミナー、読書といった狭い枠だけかもしれませんが、こういった中から何か一つでも得られることはないのかと探し求めることがよくありました。

 

ちょうど7月から新たな職責に就くにあたり、当社社長から『社長が押さえておくべき30の基礎科目 経営の教科書』(新将命著)という本を贈られ、もう一段上の視点を期待されることがありました。少なくとも社員総会までには読んでおこうと思い読了していたのですが、諸々の思いが去来する中、神妙な面持ちで今回の社員総会に臨んでいたものですので、最初は同僚から「なんか今日は元気ないですね」と言われてしまいました。元気ないということはなかったのですが、さすが自部署のスタッフはよく見てるな、と思ってしまいました(笑)。

この本の中には、会社経営というだけでなく、「自部署の運営」という経営に準ずる組織運営に関する重要なエッセンスが多く詰まっていました。少し触れるだけでも、大局観を身につける方法として「修羅場をくぐる」であるとか、他責にせず自責でなければならないであるとか、他に常勝企業ジョンソン・エンド・ジョンソン会長のスピーチにあったという「何かをやっていい結果を出したいと思うなら、物事はすべからく"FUN"でなければならない」といったくだりがあり、この辺の内容は先述の岡田監督の記事にも通ずるものがあります。つまり、こうした考え方は「マネジメント(経営)」の原理原則だと言えるでしょう。

 

原理原則ということで言えば、「こうやればうまくいく」、「こうやるとうまくいかない」という、言わば「秘密の鍵」のようでもありますが、もちろんビジネスの世界はそんなに単純ではありません。だからこそ既知の、誰がどう考えても誤った考え方は廃していきたいものです。

冒頭で引用したエピグラムは、麒麟麦酒営業本部マーケティング部部長の佐藤章氏が、「カマス理論」について触れたくだりです。

氏はキリンビバレッジの商品企画部に出向したり、「FIRE」や「生茶」のブランドを大成功させた方として有名です。

cf.商品企画部長・佐藤 章(2006年4月20日放送)/「 NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/060420/ 

 

この「カマス理論」については、以前にCS本部の松谷もコラムで触れましたが、これも原理原則の一つと言えるかもしれません。

簡単に言えば、カマスとは気性の荒い魚ですが、当然、水槽の中にエサとなる小魚を入れれば瞬く間に食べてしまいます。そこにエサとカマスとの間に透明なガラスの間仕切りをするのです。そうすると最初の内はエサを食べようとガラス板にぶつかっていきますが、食べられないことが分かるとガラス板に当たらなくなります。また、間仕切りを外してもエサを食べにいかなくなったというものです。

面白いのはここからで、それではどうやってこのカマスに再びエサを食べさせるようにするか?という方法なのですが、 意外と簡単で、水槽の外から新たなカマスを入れるだけで良いというものです。新たに水槽に入れられたカマスは真っ先にエサに飛びつきますが、それを見た他のカマスも一斉に飛びついていくようになるという理論です。

この話を先の松谷はよく、新卒入社者や中途入社者のオリエンテーションで話をするといいます。外部から当社に入社してくるスタッフたちには、新たに投入されたカマスのような期待を込めて迎えるようにしています。 当社が「チェンジ」できるタイミングは有効活用したいものです。

 

以上のように、組織全体がこのような「学習性無力感」の状態になってしまったら大問題ですね。しかし、「どうやって勝つか?」と議論している場で、「ホントに勝てるのかなぁ?」というムードが漂うことなどあるのか?と思ってしまいますが、こうした本を読んでいると意外に多くあるもののようです。

私はこのように既知の、知っている人なら誰しもが知っているというNGの法則――、既にダメだと考えられている原理原則を知らずにそのまま典型的な事例のように陥っていってしまうことが非常に嫌いです。未知なことにチャレンジして失敗してしまうならまだしも、最初からダメになると分かっているのに誰も変えようとせずに全体的にダメになっていってしまうプロセスを看過するほど良くないことはないと思います。

社員総会では全スタッフが一堂に会すので、こうした不況期にあってもポジティブな発想を持った人も多くいて、大変刺激になります。次世代リーダーが多く輩出されてくるようになったのも、こうした社員総会があったことも一つの要素としてあったかと思います。

自部署のスタッフを育成し、優秀なスタッフを輩出し、組織を活性化させてゆくような、「将に将たる器」を持った人財が今後もより多く輩出されるような「場(トポス)」にしていければと考えています。

 

最後に、以前も「諸子百家」や、「三国志」、「項羽と劉邦」等の中国古典についてコラムで触れたことがありましたが、今回も「項羽と劉邦」の逸話で締めたいと思います。

「陛下ハ兵ニ将タルコトヲ能ワズ、而して能ク将ニ将タリ。コレスナワチ信ノ陛下ノタメニ禽(トリコ)ニセラルル所以ナリ」

※「陛下は、兵に将たる力はありませんが、将に将たる力をおもちです。わたしが捕らえられたのは、そのためです」

/『中国古典に学ぶ 人を惹きつけるリーダーの条件』(守屋洋著)

これは、「項羽と劉邦」の戦いにおいて、劉邦が項羽を破った後のエピソードです。劉邦の配下には優秀な人財が多くいたとのことですが、その内の一人である韓信に対して劉邦が話掛けた際のものと言われています。

著者の守屋氏はこの韓信を、ビジネスの世界に置き換えると「営業担当重役」としています。韓信は劉邦と違って多くの兵を率いる力があると主張し、劉邦がそれではなぜ自分の配下に下ったのか?と聞き返した際に韓信が述べたとされています。

もちろん当社では、「兵に将たる力」をつけ、「将に将たる力」を持った人財をより多く輩出していきたいと欲張って考えていますが、この社員総会がその加速装置として機能するようにしていければと考えています。

 

皆様の会社では、このように自社が置かれた状況という殻を破るための仕掛けはご用意されていますか?

私たちはこれからももっと実力をつけ、実績を発揮して、先の外部のカマスのように中小・ベンチャー企業様のWeb戦略に食い込んで、マンネリ化したムードを吹き飛ばせるようになりたいと考えています。

今後も多くの企業様にお会いしてゆくことになると思いますが、自社スタッフの底上げも使命の一つとして強く推進していきたいと思います。

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"日本資本主義の父"渋沢栄一生誕170年、「リーダー」とは何かを改めて考えた ~道徳も経済も同時に学べるOJT/OffJTで次世代リーダーを輩出する期へ~

2010年06月20日 01:54 PM

 投稿者 小川 悟

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政治の世界で、今日、物事が滞ってしまっているのは、決めごとが多すぎるからである。官僚たちも形式的で、たとえば物事の本質を考えようとはせず、自分にあてがわれた仕事を機械的に処理することで満足してしまっている。いや官僚ばかりではない、民間の会社や銀行にも、このような風潮が吹き荒れているように感じられるのだ。もともと形式に流されるような風潮は、発展中の元気溌剌な国には少ないものだ。逆に、長い間の慣習が染みついた古い国には多くなる。徳川幕府が倒れたのはこの理由からでもあった。中国には「戦国時代にあった六つの国は、秦に滅ぼされたのではない、自ら滅びる原因を作って滅びたのだ」という言葉もある。

/『現代語訳 論語と算盤』(渋沢栄一著,守屋淳訳)

 こんにちは、小川です。

さて、前回コラムを書いてから1カ月半。この間にも首相が交代したり、上海万博やワールドカップが始まったり、世の中では大きなイベントが多い時期でしたが、当社でも、この「Webコンサルタント.jp」自体をリニューアルしたり、「歯科タウン」をリニューアルしたり、「Web&モバイル マーケティング EXPO (Web-Mo) 」という展示会にブース出展したり(当社出展は今年で3度目)、大変忙しい時期でもありました。

 

これだけ慌ただしい世の中であっても、まだテレビや新聞、インターネット上のニュース記事では不況だ、企業の不正だ、犯罪だと暗いニュースは絶えません。「コンプライアンス不況」「官製不況」といった言葉がありますが、まさに言い得て妙で、世の中が不況で苦しくなり、苦しいがために倫理観を欠いてしまった企業が不正をしたり、その監督責任を追及された行政が規制を厳しくすることによって、今まで何とかやってきた企業が規制強化の煽りを受けて生産性や柔軟性が減退して苦しくなりといったように悪いスパイラルが起こっているような側面もあるのではないかと感じました。

 

■コンプライアンス標語コンテストの結果発表 - コンプライアンス意識向上に役立つ標語は? | ハイテクノロジー・コミュニケーションズ株式会社(2010年06月11日

http://release.vfactory.jp/release/38314.html

 

先日も上記のようなニュースリリースがあり、昨今の企業の不祥事と照らしても、うまく言い当てたような標語が多く掲載されていて、当社でも月に1度、法務担当の者が中心となって全社員に向けてコンプライアンス研修を行っていることもあって、改めて意識を高めたいと感じたところでした。

 

私たちがWebコンサルティングを主に提供している中小・ベンチャー企業という市場は、日本にある421万企業の内、99.7%を占めると言われていますが、行政など上位方針に動きがあると、その影響はちょうど水面を打つ波紋のように緩やかに広がり、やがて一番外側の方になると大きな影響を受けていたりといったことがままあります。それでも振り回されないように必死になって企業努力をしている会社は多いと思います。たった一人の心ない人によって所属する集団が不幸になるように、たった一社の独善的な利潤追求の心が日本経済に影響を及ぼすかのようです。

 

・中小企業庁:中小企業・小規模企業者数
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_placement/

・コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(帝国データバンク,2010年5月13日)

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p100502.html

・零細企業の倒産動向調査(帝国データバンク,2010年6月16日)

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p100603.html

※2010年6月18日、「改正貸金業法」完全施行

 

当社のようにWebコンサルティングという比較的歴史の浅い業界で、どちらかと言うと自由なイメージがある業界であっても、そういった動きに全く影響を受けないかと言えばそうでもありません。

昨年9月の消費者庁が発足し、かねてより進めていた消費者庁設置関連法の主管が次々と消費者庁に集約されていきました。

 

cf.【改正景品表示法】9月の消費者庁発足の影響は?IT&広告関連法規もまとめて所管へ(「Webコンサルタント.jp」,松岡 雄司)
http://www.web-consultants.jp/column/matsuoka/2009/09/9it.html

 

また、私たちも賛助会員として名を連ねることとなったeビジネス推進連合会発足の元となったのも、昨年6月1日施行の改正薬事法の影響による医薬品のネット販売規制に端を発した要素も多分にあるでしょう。

 

cf.改正薬事法の波紋、通信販売「禁止」の規制に非難が集中(「東洋経済オンライン」,2009年6月8日)

http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/5470d8890a1ccd667bbb65ad8d066bc2/

 

弊社が抱える4000社のお客様の内の数社もこれら改正薬事法や改正特商法の影響を受け、下げなくてはならないコンテンツを含んでいたり、表現を追記・訂正する必要性のあるWebサイトがあり、関連するお客様へ連絡を取りながら一緒になってWebサイトの修正をおこなったことなどが思い出されます。

大きな会社と違って社内に法令に詳しい専門家がいるということはまずなく、経営者の方やWeb担当者の方から、「ちょっと聞いたんだけど、どこをどう直せばいいですか?」といったご質問が電話やメールで届いたりするのです。こう書くと「企業として当たり前ではないか」とか、「規制を整備することがなぜダメなのか?」と言われるかもしれませんが、そういうことを主張したいのではなく、限られた土地の中で皆が生活しているわけなので、ゼロサムゲームの如く誰かが得をすれば誰かが損をするルールなんて世の中いっぱいあると思うのですが、市場の裾野の方でこのような影響を受けている企業や人がいることも意識した見地で、やり方や発言内容もそれなりのことができるのではないかと感じたわけです。

 

ここで少し余談となりますが、4月に花見に行ったときのことについて触れたいと思います。桜は日本の国花ですが、毎年春先になると、日本全国の花見スポットに多くの人が集まり賑わいます。私もその賑わう雰囲気が好きで、開花と会社の休みがうまく合えば出向きたいと常々思っていたところ、今年の春はばっちり休みとかぶったので、飛鳥山公園まで同僚を誘って行って参りました。大学時代のゼミの先生が桜について著しており(cf.『桜の文学史』/小川和佑著)、授業中によく桜と文学の話をしてくれていたことを思い出しながら、一人詩情に浸ってみるのもまた非日常を感じられてストレス解消の一環としても良かったりしています。

 

この飛鳥山公園は、今から300年近く前に、当時強烈なリーダーシップを発揮して、江戸時代の三大改革の一つである享保の改革を推進した8代将軍徳川吉宗が切り開いた桜の名所として名高い場所ですが、ここにはもう一人、やはり強烈なリーダーシップを発揮して維新の時代を生き抜き、公のために生涯を貫いた人物に関する有名な記念館があります。それがコラムのタイトルや冒頭の引用部でもご紹介した渋沢栄一翁です。

渋沢栄一については、以前、CS本部の吉田もコラムで触れ(cf.『『信用は実に資本であって、商売繁盛の根底である』渋沢栄一』)、私も大河ドラマ『龍馬伝』について触れたコラムの中でも少し書きましたが、同僚と飛鳥山公園に行こうとなった際、敷地内にある渋沢記念館は絶対に見に行こう!と言っておりました。どちらかと言うと、花見よりもそちらが主目的になっていたような感じでしたが。

 

cf.2010年、フリーセル創業10年目という節目、お客様に感謝の気持ちと原点回帰の想い ~大河ドラマ『龍馬伝』を見て感じたことなど~

http://www.web-consultants.jp/column/ogawa/2010/01/post-46.html

・江戸東京博物館:2010年NHK大河ドラマ 特別展「龍馬伝」

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2010/0427/0427.html

 

今期(2010年4月~)に入り、全社経営テーマに「全員プロフェッショナル」が掲げられ、その中の重点テーマに「学習する組織づくり」「人財育成」が掲げられたこともあって、当社としても新たなステージである第10期目に突入するプレッシャーの中で、先人たちの歩んだ道を俯瞰できる場所を思案していたとき、ちょうど生誕170年に当たる年でもあるし、 『龍馬伝』を見て思い出したこともあって、この渋沢記念館を訪ねたい衝動に駆られました。

 

■館内のミュージアムで販売されているクリアファイル、渋沢栄一の唱えた

「道徳経済合一説」に因んだ言葉がデザインにあしらわれている。 

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世の中にはいろんな考え方や思想があり、ビジネスの世界においてもどれが正しいという戦略というのはなかなか分からず試行錯誤するものではありますが、これらの渋沢栄一の遺された言葉は、物事の本質を言っているような気がして、まさに言霊とも言うべきか、自分の考え方にすぅっとインプットされる感じがして、こういった時期に記念館を訪れるのは大変刺激になりました。

渋沢栄一についてはここでは書ききれないため割愛しますが、10代の頃は尊皇攘夷の思想に傾倒し、北辰一刀流の千葉道場にて剣術を学んでいましたが、その後一転して一橋慶喜(徳川慶喜)に仕え幕臣となり、パリ遊学中に大政奉還を迎え、フランスから持ち帰った株式会社制度を推進し、多業種500社の株式会社の設立に関わってゆくことになります。飛鳥山公園の敷地内にある「紙の博物館」には、現在の王子製紙王子工場の前身である抄紙会社(1873年設立)の資料をベースにもしていますが、この抄紙会社の設立にも渋沢栄一が絡んでいます。

 

このようにして、維新後、近代に向けて発展しようとしながらも、制度もしっかりと整っていなかった時代に、公益のために必要と感じたものを次々と生み出していった推進力は、今のような時代に必要なリーダーシップではないかと感じました。

当社には、「コンセプトブック」と呼ばれる、企業理念や大切にしているキーワードがいつでも参照できるような小冊子が社員一人ひとりに配布されているのですが、その中から一部抜粋させて頂こうと思います。

 

「リーダーの3つの条件」

1. 目的地を創れる

2. 目的地に皆を行きたくさせられる

3. 情熱と執念を持ち、最後まで諦めずに目的地を目指すことができる

 

といったものです。

簡単に書かれていますが、抱える組織の規模の大小こそあれ、「リーダー」と呼ばれるタイプの人はこうしたコンピテンシーを発揮している人が多いのではないでしょうか。

 

■人事の5割強、リーダーシップ開発の鍵は「就職氷河期世代」と回答(アルー株式会社調査「“ゆとり”“氷河期”の世代傾向から見る人材育成のこれから」発表)

http://release.vfactory.jp/release/38401.html

 

そのような気持ちのまま、ネット上のリリースに目を通していたら、上記のようなものも発見しました。今のような時期は、どこの会社でも「人財教育」に力を入れているのだなと強く納得しました。

 

当社でも先週だけで外部講師を3組もお招きし、社内スタッフ向けに研修を行って頂きましたし、それ以外にも、先述の「フリーセル大学」や「部課長塾」といった社内教育制度によって専門能力について学び合う、気付き合う場を作っています。多くの人はきっと、強い使命感や不足感を感じないと、自分事のように頑張れる人は少ないのだと個人的には思います。であれば、そうした機会を多く作り、気付きの機会を意図的に増やすことで、成長スピードや角度が上がるのではないかと感じています。当社にはこのように、OJT(On the Job Training)やOffJT(Off the Job Training)の仕組みがあります。この「フリーセル大学」や「部課長塾」のカリキュラムは、各実行責任者が社内のグループウェアに入れてスケジュールやテキストを共有するのですが、IT勉強会カレンダーのように全員が一覧を参照でき、必要に応じて参加することができます。しかし、こういった制度も最初から当社にあったものではありません。創業期などは正直後回しにされていた制度だったかと思います。優先順位の面でようやく実行できるようなフェーズになり、本当に必要を求められるようになった今だからこそ出来ていることを感謝しなければならないと考えています。

 

先に例で挙げたように、属している集団が目的や方向性を見失い、一人ひとりの心に迷いが生じてあらぬ方向に歩み出してしまうことがあるとすれば、その集団に真のリーダーが不在なのかもしれません。逆に「その集団と共に絶対に目的地に到着する!」という強い信念を抱き続けることで正しい方向に導くことができるのであれば、先に気付きを得た人から順に強いリーダーシップを持って後進のスタッフやお客様を牽引していかなくてはならないと感じました。

 

来月は当社は第二四半期に突入し社員総会なども控えていますが、その場は全社員が一堂に集まり、改めて当社や自部署の目的地を再度共有し、同じ温度感で認識し合う場でもあります。一人だけでは辿りつけないような場所でも、皆で協力することで行けることがあります。是非次月はそういった感覚を感じていたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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他業種に学ぶホスピタリティと価値創出の方法 ~「出迎え三歩、見送り七歩」を観点にレストランを巡って見えてきた"サービス業"における差別化戦略~

2010年05月 5日 08:27 PM

 投稿者 小川 悟

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感性を磨くためには本物・一流を体験することです。その中から価値を創造できる人材が育ってくると思うのです。

/『絆が生まれる瞬間 ホスピタリティの部隊づくり』(高野登著)

 私事ですが、先月で35歳を迎えました。今年はいろいろあって、大変多くの方にお祝いをして頂けました。今回のコラムでは、その中から当社代表の木村に連れていってもらった、"奇跡のレストラン"、「カシータ -Casita-」でのエピソードなどを交えながらお話したいと思います。

 レストラン業、広く言えば外食産業ですが、私たちIT業界よりはもちろん歴史があり、特に私たちのように最新技術の開発というよりは、どちらかと言うと人と人とのコミュニケーションを重視した"サービス業"の要素も含んだWebコンサルティングという業種から見ると大変参考になることが多いものです。 

 

 今期、CS本部で重点目標として掲げている「IT企業ホスピタリティ」を実践してゆく上で、木村からは「是非、強く推進していってもらいたい」と、私とWebマーケティング部の松谷に、このカシータでのディナーをプレゼントされる運びとなったものです。 カシータの高橋オーナーには、以前、当社にお越し頂き、「ホスピタリティ研修」を行って頂いたことがあって、当時強烈に響いたお話でしたので、こういった形で再度お会いできるとしたら、このタイミングでこれ以上の贈り物はない、と期待に胸を膨らませて臨みました。

 

■カシータにて。着席すると、メッセージカードと、名前の刺繍入りナフキンが。また、タクシーで到着したときは雨が降っていましたが、 店員さんがお店の外まで出迎えに出てきて頂いていました。(下写真)

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 ――さて、35歳。ここで少々余談です。

 誰しもが通る道かと思うのですが、個人的には34歳までとはまた印象が違うような、自信とも焦燥感ともつかない不思議な感覚を覚えました。そこで心機一転、新たな視点が欲しくなって書店に足を運んでみたところ、不思議と「35歳」を冠したタイトルの書籍が目立ちました。これが以前から引き合いに出している「カラーバス効果」かと、やはり意識を集中させていると発見できるものも増えるのだなと思いながら――、いや、どう考えてもおかしい、多過ぎるのです。

 昨年、「NHKスペシャル」で特集され話題になったからか、「35歳」をテーマに扱った書籍、雑誌が異様に増えているように思います。TVで話題になったということもあるでしょうが、マーケティング的観点で見ると他にも理由がありそうです。

 

 そもそも現在の「35歳」周辺を人口ピラミッドに当てはめてみて考えると、35歳~40歳は団塊ジュニア(第二次ベビーブーム)世代に該当し、1980年生まれ以降の世代と比較しても、消費のマスとして大きいということも挙げられるかもしれません。

 

cf.平成21年人口動態統計の年間推計(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei09/index.html

 

 昨今の出版不況の中で、売れているテーマを他社が追随するのは至極もっともな流れでもあるし、そういった影響もあるのかな?と、自身へ対する心配の矛先を、ついつい他者へ向けてしまうのでした(汗)。

 ちなみに現在では、上記統計を見る限りでは、1970年代前半の出生数の約半分くらいに落ち込み、高齢化による死亡者数が増え、結果として人口が減少傾向にあります。そんな矢先に、不況や消費の冷え込みなどが併発すると、マーケティングもかなり難解になりますね。

 

 ■消費意欲強いはずの「35歳」 この層の「絶望」が最大問題インタビュー「消費崩壊 若者はなぜモノを買わないのか」第3回/三菱総研・吉池基泰主任研究員に聞く(「J-CASTニュース」,2010年5月3日)
http://www.j-cast.com/2010/05/03065375.html

 

 このように、とかく消極的な切り口で取り沙汰されることの多い世代ではありますが、同時代にヒーローも多く、結局はどこに照準を当てるかという問題であるように、私はポジティブに捉えたいと考えています。

 さて、ここで本題に戻る前に、先の「カラーバス効果」について改めて触れたいと思います。詳細はここでも何度か触れてきたので割愛しますが、加藤昌治氏の『考具』に詳しいのでご参照下さい。当社10期の経営テーマ「全員プロフェッショナル」や、CS本部の重点テーマに掲げている「IT企業ホスピタリティ」などを意識していると、ホテルやレストランなどを利用していても、ついつい「サービス業」という括りで観察してしまうことがあります。今のCS本部の体制構築の際に、トヨタ生産方式や『ザ・ゴール』等、製造業の中に解を見出そうと苦慮したのと同様、今度はホスピタリティの在り方として、何かを見本にしたくなったというわけです。

 

 このホスピタリティの考えを説明する上で例に挙げたいものとして、以前に林田正光氏のセミナーを聴講しに行った際に印象に残った話が良いと思いましたのでご紹介します。「ビジネスマナーを語る上で(今では忘れ去られたしまったものも多いかもしれないが)、日本にはもともと良い文化やしきたりが多かった」というもので、例として「出迎え三歩、見送り七歩」の言葉を知りました。語源は茶の湯か、詳しくは分かりません。この話自体、本題から少し外れたところでお話くださったものでしたが、個人的には「そんなこと、普通のレストランでしてるところなんてあったかな?」と疑問に思いながらその後過ごすこととなったので、大変印象に残っています。

 この「出迎え三歩、見送り七歩」ですが、もちろん言葉のあやで、実際に三歩、七歩と決まりごとがあるわけではありませんが、飲食店などでお客様をお迎えする際はお店の外まで出て出迎えて、お送りするときは(今どきの表現で言えば)車道にまで出てお見送りする、くらいの表現を言うのでしょう。

 この言葉に注意して飲食店を見比べてみると、今まで気付かなかっただけで、カジュアルなレストランでも、大衆居酒屋でも実際にあったんです。店員さんが、ドアの外まで出てお見送りをしてくれるお店が。これ、意識なくして、また、教育なくして自然体でできる行為ではないと思いました。知ってなくては出来ないことです。

 

 他にも事例があって、5月は同僚の結婚式披露宴が立て続けに3回行われることになっており、その内の一つについて、2次会の副幹事をさせてもらうことになりました。パートナーを組んだ幹事の同僚とお店選びをする中で数店のレストランを回ってみたのですが、先の「出迎え三歩、見送り七歩」の観点で見ると、店舗ごとに圧倒的な「違い」があって、お店選びでは迷いませんでした。 

 まず、下見で回っていた際、会社が休みの日に、混み合う時間体の前に打ち合わせの予約をしたのですが、最終的に決めたお店は、約束の時間に店員さんがお店の入口から出て待っていてくれました。そして帰り際には、(上階にあるお店ですが)エレベータで1Fまで降り、歩道まで出てお見送り下さいました。

 私が言いたいのは、「至れり尽くせりで良いお店だ!」という感想ではありません。こういったことが徹底されているお店は、「他の面でもしっかりできていた」のです。まず、着席するや否や飲み物が出てきて一言「今日はわざわざありがとうございました」と始まり、ヒアリングベースでストレスを感じることなく話が進み、2次会のゲームなどは一般的なものが全てノートパソコンやファイルの中にプレゼン資料として準備がされており、イメージがわくように丁寧にご説明頂けました。さらに、ゲームの景品で迷っていたところ、予算別に購入可能な商品の一覧表が用意されていて、それを参考に選ぶことができるようになっていました。最後には店内を全て案内してくれ、当日のデモンストレーションのようなことも簡易的に行って下さいました。

 

 他のお店と同様、「結婚式の2次会でよく使われることがある」という青山・表参道近郊の激戦地区にありながら、他のお店では「どうぞ好きに見ていって下さい。何かご不明な点などがあればお聞き下さい」というあしらいでした。もちろん例の「出迎え三歩、見送り七歩」はありません。この歴然とした差は何なのだろうと少し考えたところ、もちろん気持ちの面も重要なのですが、林田正光氏もおっしゃっていたように「戦略」があるかないか、といった差ではないのだろうかという結論に至りました。

 他のレストランは、「結婚式の2次会で使われることがある」という自社理解で留まっていたのに対し、私たちが選んだレストランは「結婚式の2次会で使われるためにどういうサービスを用意すれば良いのか?」までを考え抜いていて、その差が消費者から見たときの「違い」を生み出していたのではないのだろうかと思いました。この辺は私たちでも大変参考にすることができそうです。

 

 今思い返すと、他にも同じように過去、いろいろと勉強できた"サービス業"も多かったかもしれません。グローバル・ダイニング系列店なども、「ゼスト」の語源となった「Zest for life(=生き甲斐)」、「ラ・ボエム」の語源となった「ボヘミアンのように自由に生きたい」等、創業者である長谷川耕造氏が学生時代にバックパッカーとして世界を旅したときに印象が表現されたようなコンセプトで展開されていて、私も学生時代から十年以上愛用させて頂いています。

 このお店で後年になって学べたことは、厨房がオープンキッチンとなっていて、お客様が来店されると、ホールスタッフの方以外も、全スタッフが挨拶してくれることです。「厨房」は私たちの業界で言えば、Webサイトを制作する「制作部」です。ものづくりに携わるスタッフが、接客を学ぶことによって、消費者心理を理解したものづくりが出来るようになると考えたものでした。

 

ジョン・フォードの『荒野の決闘』が三宿のゼスト、フェリーニの『甘い生活』がラ・ボエム、ジュール・ヴェルヌの『地底探検』がお台場のゼスト。まさに映画だよな。(鹿島茂)

/『タフ&クール―Tokyo midnightレストランを創った男』(長谷川耕造, 鹿島茂著)

 

 そして、このグローバル・ダイニング創業者の長谷川耕造氏の右腕・左腕と呼ばれ、"サービスの神様"と異名をとる新川義弘氏も著書を出されていらっしゃいますが、以前、縁あって偶然にも東京・銀座にある「DAZZLE(ダズル)」(株式会社HUGE,代表取締役社長:新川義弘氏)を利用させて頂く機会に恵まれましたが、こちらもワインタワーなどこだわりのあるお店でした。

 

 また、冒頭でお話した"奇跡のレストラン"「カシータ」――、高橋オーナーがアマンリゾートという有名なアジアンリゾートから着想を得て立ちあげられたレストランということですが、「わがままなお客様こそレストランを楽しむ上級者である」として、Casitaとは(アマンで)「温かく小さな家」を意味するということをWebサイトの中で説明されています。

 

 以上、私たちはこのように考え方ひとつで、実際にレストランを利用する消費者となって創業者が歩んだ精神の遍歴を追体験することが可能です。

 

 冒頭に掲げたように、サービスを提供する者として「サービス」を知る必要があります。自分が幸せでなくては相手を幸せにできないだろうし、自分の問題が解決できない人は他者の抱える問題も解決できない。

 同じように、たとえ今すぐ真似をできないような高度なレベルのサービスであっても、知らないことがある日突然分かるようになるということはありません。先ほど列挙したレストランの創業者たちにも着想を得た「元ネタ」があります。これをどのように吸収し、アウトプットし、他店と差別化し、価値を生み出していったのか――、そういう切り口で俯瞰して見てみるといろいろと学べる点も多いものです。

 この考え方に立つことで、「会社の認知度が低い」、「商品力が弱い」といったウィークポイントを抱えていても、「中にいるスタッフを教育する」、「他社が出来ていない心地良さを提供できるようなサービス提供をできるように訓練する」等の差別化を徹底することで、今までウケが悪かった市場からの評価を得られるようになる等、活路を見出すことができるようになるかもしれないと感じました。

 

 私たちCS本部でも、前期から今期にかけて幾つかのプロジェクトを並行して動かして参りましたが、今期も多くの価値を提供できるように努力をしていきたいと思います。引き続き宜しくお願い致します。

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自社を語る、自分を語る中で主体性を確立する ~管理者合宿研修を終えて、「人財」育成に大きな使命感を持つ"

2009年07月26日 08:35 PM

 投稿者 小川 悟

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もし、幸運にも、あなたの組織で語り継がれている物語があったなら。

あなたも、それを、語り継いでください。(中略)

そして、人の物語を真剣に聞いた別の人が、こう語り始める様子を、何度も目にしています。

「そういえば、私にも、こんな物語があった」

物語は、物語を誘発し、人と理念、人と人とをつなげていきます。

/『感じるマネジメント』(リクルート HCソリューショングループ編)

先週は管理者向けの合宿研修がありました。合宿形式で研修が行われたのは、昨年に続いて2度目となります。合宿形式の研修のメリットの一つは「環境」にあると思っています。同じ話を聞くのでも、いつもの職場で聴くよりも集中して聴けますし、自分から話をする機会は多く与えられますし、普段よりも開放的になって話をする内に今まで気が付かなかったことに気が付けたりすることもあって収穫が大きいです。

今回の研修で面白かったのは初日の終盤に当社社長の自己開示によるストーリーテリングがあり、それを倣って私たちは配布されたフレームワークに各自が必要事項(自身が大切にしている価値観やミッション・ステートメント等)を書き込み、皆の前で発表するというもので、2日目の大半はこれに費やされました。深い内省と、他の管理者の口から発せられる新たな情報に触発され、また改めてビジョン達成に向けての使命感がわいてきました。

当社社長の木村のコラムでも書かれておりますが、今期経営テーマである「百花繚乱」実現のために必要なこと、そのために留意すべきポイントが何であるのか、といったことを気付かせてくれるかのような研修内容でした。

 

私たちCS本部が掲げた今期ゴールビジョンの中に「付加価値の創出」というキーワードが含まれています。百年に一度と言われる大不況の中で消費を生むためには、競争優位な商品・サービスを作らなくてはなりませんが、その商品やサービスを提供するのは「人」であり「組織」です。クライアントに提供される成果物の品質が、各個人の技能と気遣いや組織のチームワークで決定されるというのなら、今すぐに取り組まなくてはならなかった課題は明確でした。

前期より引き続いて取り組んできた諸々の施策――、部員教育のためのCS部成長のあゆみ」や「自己育成シート」、クライアント提案用に質の高いヒアリングを行い、納品後の管理を行うためのWeb戦略カルテといったフレームワーク類、それから「制作ガイドライン」(ex.ライティング課の各種ガイドライン)や「D-sta(フリーセル・ディレクション・スタンダード)」(全社的な知識の底上げやサービス均質化のために編集した当社Webディレクションに関する標準知識体系)、SEOポリシーといったガイドラインやポリシーの整備、社内教育機関の設立を夢見て立ち上げた企業内大学フリーセル大学、全社員の個を尊重し全社共有するためのWeb社内報の開設といった体制の確立など、できる限りのことはしてきました。

 

しかし、これだけでは足りません。ツールや仕組みがいくら整っていても、それを使いこなすのは結局のところ「人」と「組織」であるので、より深く浸透・深耕させていかなくてはなりません。そもそも上記のような施策は、私一人で企画したものでも確立させたものでもありません。今回の合宿研修に参加している部課長たち全員の協力があって実現し、運用されているものです。今後、これらの浸透・深耕には、次世代のリーダーの出現がどうしても必要になります。その境地に至るまでの経緯を振り返ってみた際、志を一つに、皆で同じビジョンを明確にイメージしながら各組織を牽引し、自立・自律して一歩一歩諦めずに築き上げてきて今があるように思います。しかし、それには時間という大きな代償を必要としました。今後の浸透・深耕に対してはスピード感を持って臨みたいので、次に組織のリーダーとなる人たちに手伝ってもらえないものかと考えました。

皆が今よりも主体性を持って考え、実行することで、会社としての経験がある分、今までよりもスピーディーに進めることができる筈です。この「主体性」ですが、経済産業省が2006年度に行ったアンケートがあり、企業の「求める人材像」調査| 社会人基礎力との関係という統計が公開されていますが、大手・中小企業問わず社員に求めているコンピテンシーであることが分かります。

幸い今回の合宿研修では、それを実現するための近道が示唆されたように感じていたので、第二四半期はその点に留意しながら進めていきたいと考えています。重要となってくるのが「権限委譲(エンパワーメント)」であると思いますが、その際特に注意したい点の一つとしては、「自身のミッション・ステートメントを明確にし、自己開示する」ことです(cf.「ジョハリの窓(「Wikipedia」)」)。そうすることで、部下からの信頼を得ることにも繋がると思いますが、この「信頼」や、信頼からくる「内省(腹に落ちて理解する、自身の課題を設定できる)」こそが自発的なスピードと実行力を生み出す起爆剤になる筈と考えています。

主体的な人間として、人生の中で自分はどうありたいのか、何をしたいのかを表現することができる。これを文書にすることは、個人的なミッション・ステートメント、個人的な憲法を書くことである。

(中略)書き上げる過程が、最終的な文書と同じくらい重要だと思う。それは、ミッション・ステートメントを書く、あるいは見直すプロセスに、人を変える力があるからだ。自分の優先順位について深く考え、自分の行動と信念を統一する力があるからである。そして、そうすることによって、あなたは熱意あふれる使命感を持つようになり、周りの環境や出来事に支配されない主体性を持つことになるのだ。

/『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)

CS本部も以前にミッション・ステートメントを掲げたことがありました(cf.「CS部とミッション・ステートメントのご紹介」)が、もう数年前になるし、今では組織やサービスも随分と高度化してしまったので、そろそろ見直しが必要かもしれませんね。

 

それから、権限委譲の際に注意したい点としての二つ目として、部下との接し方です。部下に対してもともと抱いているイメージがネガティブなものしかないようであれば権限委譲は遅れるだけですし、まずはそれをポジティブなものに変えてゆくマネジメントと、自身の変革とが急を要されてきます。

『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(若松義人著)という本の中で著者が回想されていますが――、

トヨタ生産方式の生みの親・大野耐一氏から仕事の指示を受けたある課長が、即座に「できません」と言ったところ、大野氏から烈火のごとく怒られたというのです。理由は、指示に対して「ノー」を言ったことではもちろんありません。その課長が自分の部下の知恵を信じなかったことにあります。(中略)

豊田英二氏がこう言っている。

「管理職のみなさんは、自分を凌駕する部下を育成していただきたい。人財こそ企業の要であり、企業の盛衰を決めるのは『人財』である。みなさん自身が厳しく己を磨き、部下から心服される管理職となり、部下が人間として大きく育つように努めてほしい」

上司は誠心誠意、育成に努める。育った若手は「自分が育てられた恩」を「自分を凌駕する部下を育てる」ことで返す。これがトヨタ流の人財育成術である。

/『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(若松義人著)

――部下を信じることが重要です。未来の強力なパートナーとして育つことを信じながら育成に励むことが、今、管理者に求められています。

 

今回の合宿研修参加を通じて、「百花繚乱」実現のためには人財育成が必要であるため、管理者一同で今一歩踏み込んだコミュニケーションを行ってゆくことが必要であると認識しました。まずは合宿研修参加の所感として。

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Web社内報開設にあたり ~"人間尊重"と"調和"を生み出す職場づくり~

2009年06月28日 10:47 AM

 投稿者 小川 悟

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自己最適化しやすい人間が、自分のことを後回しにしてでも、その目標・価値観に「のってくる」ためには、努力や工夫をしなければならない。それは、自分を逆の立場において考えてみれば、容易に想像がつくことである。しかし、共有化できた瞬間、変化は生まれる。

/『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(高橋克徳・河合太介・永田稔・渡部幹共著)

いよいよ当社は、第一四半期末にさしかかりました。今期ゴールビジョン達成のための重要なファーストコーナーのカーブにさしかかったあたりと言えるでしょう。来月の頭には恒例の社員総会があります。各自が全社員と顔合わせをするのは、前期末の社員旅行兼社員総会のとき以来となります。各自・各部課のリーダーたちが、この第一四半期の成果と今後の抱負を全社員に対して発表する数少ない機会でもあります。

さて、私個人としてここでお話しようと思うのは、今回のタイトルにもありますが、当社オリジナルの「Web社内報」のご紹介です。今期に入って、私が見るCS本部を含めた当社の新体制についてこの場を借りてご説明したことがありました(cf.「第9期新体制、CS本部は「マーケティング力」と「クリエイティブ力」の強化を推進 ~内定取り消し時代の新卒入社者を迎えて~」)。その際実は、私は組織としてCS本部を見る業務の他、社長直轄業務として「社内広報」の役割を担わせて頂くこととなりました。

私事で恐縮ですが、この「広報」の業務、実は今から10年以上も前に就職活動をしていた頃から将来やりたい仕事として、自己プロフィールや企業応募用の作文に書き連ねていたものでした。社会人1年目のときはそれが適わなかったものの、縁あって広告代理店での仕事に携わることができました。しかし、「広告」と「広報」との違いについてある程度正確に分かってきたのもこの時期のことでもありました。それから2回の転職をして今の会社に籍を置いているわけですが、創業間もない頃に広報業務も何もあるわけがなく、入社当時から非営業職ではありましたが、ひたすら「売上げを上げるために自分に協力できることは何か?」しか考えないようにしていました。しかし、広報業務に対する興味は諦め切れず、いつかこの会社が成長期に突入したときは、そのときこそ上司に進言しようと心に秘め、宣伝会議発行の『PRIR』(現『広報会議』)の定期購読を始め、独特な業界のトレンド収集については遅れを取らないように心掛けてきたつもりでした。そこが買われてというわけではありませんが、前期第四四半期あたりから現社長よりこの構想について話を聞く機会が増え、自ら進言するまでもなく、この度の実現に繋がりました。やっぱり夢を諦めないことは重要ですね。

 

まず私が取り組んだのが、前期末あたりから少しずつ進めていた「Web社内報」の制作です。もちろん私自身ですべてできるわけではなく、CS本部のリソースを借りて当社で扱いのあるMovable Typeを用いて制作しました。今後の活用イメージを想像すると、CMSで構築した方が都合が良いだろうと考えていました。

cf.サービス紹介 CMSでのサイト構築|Webコンサルタント.jp

http://www.web-consultants.jp/service/website/

当初企画した諸々のコンテンツのご紹介に関してはまた別途機会を設けることとして、この「Web社内報」、社内からのアクセスしかできないようにしてあるのですが、開設2ヶ月目でなんと月間3万PVに達することができました。全社200名の当社ですので、1人あたり平均150PVということになり、今期の経営テーマ「百花繚乱」の実現のために底辺に位置するインフラ構築ができ、出だしとしては順調ではないかと思っています。

cf.参考サイト

・社内広報の目的と社内報の役割とは(ネットPR.JP - netpr.jp - /株式会社ニューズ・ツー・ユー)

http://netpr.jp/column/003249.php

当社Web社内報の開設目的の主なるものとしては、経営方針の理解や高業績者のモデリングのための情報共有といった要素もありますが、まず何よりも、共に働く仲間を知ること、そして普段は日陰となっているがコツコツと努力を続けて重要な仕事を担ってくれている仲間を、会社としてキャッチアップして全社員に知らしめることという思いがありました。

「一度撫でた犬の吠え声は気にならない」という格言集にはある。なるほどと思う。(中略)知ることがどんなに人間心理を楽にするか、ということの例として際立っていると思う。

/『冒険する社内報』(福西 七重著)

何を考えているのかわからない人と仕事をするのはストレスが溜まる。上司と部下はその最たるものだ。(中略)社内報は、社内の誰をも「彼も人なり、我も人なり」と感じられる素材を提供する場だ。「みんな眠い目をこすりながら、今日も仕事に行くぞと起きるのだ」と、自分の姿をみんなに重ね合わせることができる場でもある。

/『もっと冒険する社内報』(福西 七重著)

会社にもよるのでしょうが、通常の企業では各部門ごとの役割や責任を切り分けたり、教育効果を最大化するために業務内容によって部門を分けます。そうすることで自部署の専門業務に特化でき、当事者意識が芽生え対外競争力を生み出すことにも繋がりますが、それと同時にいつの間にか企業の成長にとってまさに障壁となる「カベ」ができていることがあります。その状況を、ときに「縦割り組織」だとか「セクショナリズム」だとか、飛躍して「大企業病」とくくられて言われることもありますが、決して組織が潤滑であるとは言えないのではないかと思っていました。

 

今から約20年前の1988年6月、リクルート関連企業であったリクルートコスモスの非公開株を巡って、実に90人を超える政治家がこの株の譲渡に絡み、政界首脳陣が収賄容疑で新聞紙面を賑わせた「リクルート事件」が起こりました。その記事の見出しが朝日新聞紙面上に大きく踊った際(cf.『追跡 リクルート疑惑 スクープ取材に燃えた121日』/朝日新聞横浜支局,朝日新聞社)、リクルート社員の混乱を鎮め、その後社員間の一致団結に一役買ったと言われる、当時リクルートの社内報「かもめ」を創刊、その後編集長を就任されていた福西七重氏が、後に創業された株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーションから発行されている、『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』(手塚 利男著)の中で、この「カベ」について説明されたページがあります。

どんな「カベ」があるのか?

●個人の心の中のカベ

・利害関係という名のカベ

→「ほかの社員に手柄を取らせたくない」という思いからできるカベ

・自己保身という名のカベ

→「目立たず無難に仕事をするのが最善策」という保身からできるカベ

・諦めという名のカベ

→「どうせ、努力しても報われない」といった諦めの気持ちからできるカベ

●それぞれの部署が作っているカベ

・利害関係という名のカベ

→「自分の部署の利益を守りたい」という思いからできるカベ

・非協力という名のカベ

→「他部門への協力を求めず、自分の部署で仕事を完結させよう」とすることからできるカベ

/『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか たった一人からでも始められる「職場活性化」の方法』(手塚 利男著)

上記にある各自・各部門ごとの「思い」は、これだけではネガティブなものとは言えないと思います。これらの思いの内のいくつかは部分最適の要素は持ち合わせており、成長意欲の裏返しであるとも見てとれます。しっかりとマネジメントすることで大きな力を得ることができるのであって、すべてではないにしろ、まず先にこうした「思い」があった方がむしろ職場は活性化するのではないかと考えています。

それではどうしたときにこれらが良くない方向になびいていってしまうのか?その見極め方として最も簡単な方法が、それらの思いの先に、確固とした「お客様のために」という目的意識があるかどうかだと思います。

お客様からしてみれば、このどれもが直接自身には関係のない話であって、自社内で解決しておいてもらいたい内容である筈です。「"自分のために"そう思っている」内は、自分を取り巻く問題については解決できたとしても全体を解決するまでには至りません。

さらに突っ込んで考えると、どんなときに自分のことばかり考えてしまうのか? 自分の立場が社内で弱いときに多いような気がしています。そんなときは、本来「お客様のために」考えなくてはならないとは分かっていても、自分の立場が弱くてはそれどころではありません。まさに、「ない袖は振れぬ」状態ですね。逆を考えると、「お客様のためになるために、自分が職場で強くならなくてはならない」という考え方が生まれてくると思いますが、それこそまさに当初自身が望んでいた「自分が強くなる」ということなのではないでしょうか。この原理原則が見えないままにがむしゃらに働くのは、見えない敵と戦っているのと同じで、いつか自分か、または自分に関わる相手を傷つけてしまうのではないかと考え、それを忘れてしまいそうなときにはいつも以下のコラムを読み返すようにしています。

■人材育成の「隠れたホットテーマ」は、なんと顧客との関係だった(bpspecial ITマネジメント/日経BP社)

http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/col/ookubo/012/

話を戻しますと、職場にカベのできた状態というものは、まるでバベルの塔の神話のように土地や言語を分かたれたバビロンの民が、やがて互いに争いを始めるにまで至る人間の性とも言えるのかもしれません。当社社長がよく申し上げておりますが、「会社は社会の縮図」であると思います。ましてこのように昨今の不況だとか、努力しても報われにくい世の中だとか言われている時期にあってはなおさら意識して考えたいですね、人と人との繋がりの重要性というか。そうやって事前に分かり切ったプロセスで陥ってゆく悪いスパイラルがあるとすれば、私たちはそうならないように、お客様のためにもっともっと民度を上げていかなくてはならないと思っています。

 

以上、「Web社内報」立ち上げに絡む話が、横道にそれながら思いのほか長くなってしまいましたが、一言で集約すれば、当社の掲げる行動指針にもある、「人間尊重」と「調和(協力、競争、共有)」にも繋がる媒体だと考えています。正確に言えば、それら行動指針から派生した媒体ですが、来る7月4日の社員総会では、これら各行動指針に対する賞が設けられています。

今後、既存のお客様はもちろん、これからお会いするお客様へサービス提供を行ってゆくわけですから、「中小・ベンチャー企業向けWebコンサルティングNo.1企業」を目指す中で、そうした全社的な総会で評価を受ける者を少しでも多く増やして成果を上げられるような職場づくりをしていきたいと思います。第一四半期の締めくくりとして。

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目標管理と人材育成、組織デザインについて ~「KPT法」による"ふりかえり"の実践と、コンピテンシーシートの活用~

2009年02月15日 10:14 PM

 投稿者 小川 悟

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「そこに行きたい」という熱い気持ちや情熱(パッション)、「なぜそこに行きたいか」を語る使命(ミッション)や夢、「そこはたどり着けばどのようなところなのか」を目に見えるように(ビジュアル)に描いたビジョン、「そこに行ける」という自信と勇気、「どうしたらそこに行けるかを示す」シナリオやステップ(足取りの展望)を持って進んでいきたいものだ。

/『組織変革のビジョン』(金井壽宏著)

先日、「「フリーセル大学」4月開校! ~"学習する組織"確立のための企業内大学設立に向けて~」の記事で、「学習と成長の視点」や「クリエイティブ・テンション(創造的緊張)」について触れました。今回はその続きとなるか分かりませんが、私たちCS部が今までに取り組んできた人材育成のための試みについてご紹介していきたいと思います。

人材育成というと、私たちのような中小・ベンチャー企業よりも、資本のある大手企業の方がはるかに気を遣っていることでしょうし、事実多額のコストを投じて既に様々な取り組みをしていらっしゃることと思います。しかし、本当に人材育成が急務なのはむしろ私たちのような中小・ベンチャー企業の方ではないのか?といった疑問が、数年前から脳裏を過ぎるようになりました。特に私たちが提供するWebコンサルティングのような労働集約型ビジネスにおいては、"人材力"が業績に大きく影響してくると考えていました。そんな折、以下のような記事をネットで見つけました。

■「やる気と業績、深い関係=中小企業の実態調査 法政大など」(時事ドットコム,2009年2月16日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009021500095

■「1月の企業倒産15.8%増、6年ぶりの高水準、負債総額は44.3%増、商工リサーチ」〈日経BPネット,2009年2月9日〉
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090209/130775/

このような外部環境が激しく変化する厳しい冬の時代にあって、「業績」と聞くと思わず過敏に反応してしまいます。少しでも高い目標を掲げて、その目標達成のために最適な目標設定と行動計画を立てて外部環境に左右されない、今風の言葉で言えば、「サバイバビリティ」(日経新聞,2009年1月1日「世界この先」より)――この「サバイバビリティ」(生き残る力)は、昨今、様々な要因で、また様々な変化形態によって、人の人生よりも短命な企業が増えてきた時代の代名詞ともなった「サスティナビリティ」(持続可能性)をうけた言葉ですね――を付けていきたいと感じました。

ところが、そうかっこいいことを言っても、現実的には人材育成にかける時間もお金もない――。中小・ベンチャー企業の多くで、自社で試行錯誤したり、人材育成を外部コンサルティングに頼ったり、自社にはマッチングしにくい人材育成・評価制度を導入してはなかなか思うように成果に繋がらない、といったジレンマに駆られるケースがあることは、自分たちの今までを振り返ると想像できるような気がします。

しかし、先にも引き合いに出したように、私たちは元々小さな組織体からスタートしていたので、生き残るために社員全員が一丸となってたゆまぬ努力を続けざるを得なかったのです。さらに言えば、後年になって、自社の成長フェーズに合わせて大きく立ちはだかる壁を前に、「ただ闇雲に努力を続けるだけでもダメだ」といった大きな挫折を経験することが必要だったわけです。そうした力技から論理的思考への転換など、すべてが必然によってもたらされた試練であるかのように感じていました。

もちろん、そうした「サバイバビリティ」はあくまでも方法論であって、目的としては当社企業理念の実現のために必要な行為でした。念のために補足しておきますと、現在のようにステークホルダーを広く意識した企業理念が定まる前までは、そこに自己実現などの要素も多分に含んでいたように思い返します。ですので今のフェーズであれば、「お客様のために」「会社のために」「自分たちのために」生き残らなくてはならないわけです。もう一段成長フェーズが上がってくれば、「社会のために」「株主のために」といった「企業の社会的責任(CSR)」を果たすための目的もプラスされてくるのだと想像しています。

 

以上のような背景をもって、当社自体とともに私たちCS部も少しずつ大きな組織へと成長していきました。ところが、組織が大きくなってくると今までは起こり得なかった新しい問題が浮上してきます。

1、各自目的は同じであっても、手段にバラつきが生まれることで意志決定が遅れ、推進力・生産力が低下する。

2、他者依存型な習慣(cf.「大企業病」)が生まれ、当事者意識が欠如し、リーダー不在の組織が続くことでロールモデル創出や結果創出がしにくくなり、人材が育ちにくくなる。

3、個々の役割や存在意義が不明確に(確立が難しく)なり、組織内にモチベーションの差異や作用・反作用が生まれ、上下間で干渉し合うことでプラス方向への進路が妨害される等、健全でない風土が生まれる。

こうした諸問題の発生リスクを抱え、一言で言えば「コミュニケーション力や問題解決力に不足があり、物事をうまく進めることができずに人任せになり、挙句自分で何も得るものがなくなってモチベーションが下がり、スタンダードを"自分"にすることで協働できていると錯覚する」ような悪いスパイラルが生み出されるかどうかの転換期でもあった2006年の上半期頃、私たちCS部の管理職メンバーはある一つの方向性を示しました。この「コミュニケーション力」や「問題解決力」といったようなスキルは、職務能力として求められると息が詰まってしまいそうですが、職場よりももっと難しい問題と直面するであろう「人生」をうまく渡り歩いてゆくために持っていて損はない能力だと思うので、是非みんなで身に付けたい!という思いで意見をぶつけ合いました――。

「コンサルティングと言うくらいだから、まず問題解決ができないとね」

「他者の問題解決をする前に、そもそも自分の問題の解決ができないと始まらないよ」

「自分の問題解決って言っても、今まで体系的に蓄積されてきたノウハウなんて社内になくない?」

「だとすると、問題解決の仕方が分からない人にやり方を伝えるのって難しいよね……」

「だからその問題を解決するための方法を僕らが考えるんだよ、最初から簡単だからやろうなんて一言も言ってない」

「おーし、見えてきた!みんな目的をぶらさないでよ。KJ法とか使って一つひとつ整理して、組み立てていこう!」 

――およそこのような会話の末に生み出されたのが以下のシートです。

■「CS部成長のあゆみ」と「自己育成シート」

 

成長のあゆみ.jpg 上記、「CS部 成長のあゆみ」は、言ってみれば上司と部下のコミュニケーションツールです。また、自社の企業理念やゴールビジョンと個々人のそれとをミッションリンクさせてモチベーションの源泉とするとともに、目標管理の精度を向上させ、その実現のための戦略性を養うことを目的としています。使い方としては、月に1回、月末月初にかけて個人が記入し、そちらを元に担当上司との面談時に使用します。KPT法などを用いて先月のふりかえりができる仕組みになっています。ゴールビジョン(cf.CS部が今期期初に掲げたゴールビジョン)は課ごとに用意されているので、分業化・専門化が進んだ今の組織でもそれほど苦労することなく、自身の目標設定や行動計画を立てることができるかと思います。経済産業省で配布している「社会人基礎力」育成のためのシートにも似ていますが、これはスピード重視の当社オリジナル仕様。もっと必要最低限まで項目を絞り込み、ブレイクダウンされて簡易にできています。ある程度フレームワーク化されてコーチングの観点からも意識しつつ、個性や自主性を見抜くために自由記述欄も残しています。また、実は今月からマイナーチェンジしています。当初は2006年の9月から運用を開始していましたが、昨今の外部環境の変化、それから当社の求める基準や社員のレベルアップに応じて、過去のフォーマットではいろいろと適さない部分も増えてきたためです。

一方、「自己育成シート」は四半期に一度、「CS部 成長のあゆみ」と同じタイミングで提出し、やはり面談時に使用します。当社で求められる「コンピテンシー」に関する項目が、各カテゴリ毎に分かれて数十項目あります。この項目はCS部の管理職メンバーがKJ法によるブレーンストーミングを重ねて絞り込んだ内容となっています。はじめに個人で記入し、後から担当上司が記入してギャップを確認し合います。こちらは「CS部 成長のあゆみ」と比べると、どちらかと言えばもっと基本的な内容が並んでおり、中長期的視野での人材育成を考慮した設計となっています。

 

特にこの「自己育成シート」に関しては、何もないところからアイデアを出し合うことに大変苦労をしました。そもそも、社会通念上における「コンピテンシー」についての理解もままならない中、当社で求める基準を定めてゆくのだから楽ではなかったです。しかしながら、この「コンピテンシー」については、職務に携わる皆が同じ内容理解(コンテクスト)、意識で取り組まなければ会社の成長も個人の成長もないだろうし、これからの変化に対応してゆくことも難しくなってくる筈なので「自己育成シート」の完成は避けられない運命にありました。

「コンピテンシー」という言葉についてネット上で調べてみると、語源も古く、たくさんのページで使われていることが分かります。『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)のような考え方かな?くらいの気持ちで調べていきました。もともとはハーバード大学の心理学者、D・C・マクレランド教授が提唱し始めた概念のようです。人材育成をするにあたり、もっとも指導が難しい要素は個々人の職務能力ではなく、信念や価値観、使命感や動機付けといった、いわゆる「氷山モデル」で見えない部分とされる本人の性格や資質の部分(潜在能力)であり、私たち管理職メンバーもこの部分については、いわゆる「背中を見せる」以外の手段でどうやって指導してゆくかについてかなり悩んだものでした。

■「人材開発の動向を概観できるサイト1/2」(日経BP社の人材開発支援サイト ヒューマンキャピタル Online)
http://blog.nikkeibp.co.jp/hcl/archives/2005/11/2_1.html

http://blog.nikkeibp.co.jp/hcl/archives/2006/01/3_2.html

上記のページでも紹介されている「ASTD(American Society for Training and Development,アメリカ人材開発協会)」は、職場における人材開発の方法論について研究する世界最大の組織と言われます。このASTDが掲げる「21世紀のコンピテンシー」には、例えば以下のような記述があります。

1、同業界と自社のことをよく知っている

同業界と自社のビジョン、戦略、目標、文化を理解し、人の業績を組織目標につなぐ。

4、問題解決能力

業績の現実とあるべき姿の差を埋められる。また他人がギャップを見つけ知識を使ってギャップを埋めることを助ける。

7、業績の理解

行動と結果を区別する。成果を認識する。

14、大局観

目先の障害にとらわれず、前方の目標と結果を見通す。

/『アメリカを救った人事革命 コンピテンシー』(太田隆次著) 

ざっと一部を引用しただけでも、職務遂行上における理想とも言える考え方が述べられていますが、こういった内容も自社に見合った表現に変えて、先の「自己育成シート」に含められています。あとはこうしたシートを活用する上で、マンネリ化や形骸化することを避けるために私たち管理職メンバーもコーチングスキルを磨かなくてはならないし、必要に応じてシートそのものや運用ルールの見直しを図ってゆく必要も出てくることかと思います。

なにはともあれ、こうした指導の元で形成される人材がお客様の元へお伺いし、お客様が各々抱える経営課題をWebを用いて解決するための手段を講じなくてはならないわけですから、先に述べたように単に「(能力を)身に付けたい」という個人の希望的観測ではなく、「身に付ける」といった責務として今後もしっかりと運用を続けていきたいと思います。

 

それでは、何かご相談等ございましたら、こちらのフォームからお気軽にお問い合わせ下さい。

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「フリーセル大学」4月開校! ~"学習する組織"確立のための企業内大学設立に向けて~

2009年01月12日 01:01 PM

 投稿者 小川 悟

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組織は個人の学習を通してのみ学ぶ。学習する個人がいるからといって、必ずしも組織も学習するとは保証できないが、学習する個人がいなければ、学習する組織などありえない。

/『最強組織の法則 新時代のチームワークとは何か』(ピーター・M・センゲ著)

新年あけましておめでとうございます。新年のご挨拶が遅れましたが、当社は5日から通常業務を開始しています。

皆さんは何か今年の目標などを掲げられましたでしょうか?今年の私の個人的なテーマを掲げますと、「学習と成長の視点を持つこと」となります。

これは、昨年書いた「CS組織のイノベーションのために ~「横浜トリエンナーレ」で見た現代アートに触発されて~」でも触れた、「CS組織のイノベーションのため下半期に取り組むべき以下の7つの行動計画」の各要素にも密接に絡んできます。今後、より大きな仕事に取り組んでゆくにあたって、論理的思考や作業の平準化といった統率された管理体制が求められてくると思われますが、その際に失いたくないものは、当社の強みでもある個々人の持つモチベーションの高さや、「協力・競争・共有」といった、各自が大切にしている組織の概念です。

「管理された生産体制」「体制に縛られずに個性を発揮できる現場」という一見相反する組織体制のようにも思えますが、これらが共存した理想の組織構築の実現に向けて、今のCS部に不足しているものはこの「学習と成長の視点」ではないかと考えました。まずは皆で基礎からしっかり学んで、それを応用して活かせる人財を育成していこうというものです。もちろん通常業務が最優先ですので、業務を効率化させて新たに生み出された時間を充ててゆくといった基本方針です。

 

さて、今回のコラムでは、そういうCS部の各管理者の思いの中で生まれた構想である「フリーセル大学」について少し触れたいと思います。今年の4月開校に向けて、今まさに年間カリキュラムの策定やテストの出題範囲、講師の人選、会議室等のファシリティの確保、実行委員会の運営方針、その他諸々のことについて関係者間で話し合いを進めているところです。

「大学」とは言っても外部に門戸を開いた形式は取らず社内を対象に行う、言わば「企業内大学」としての機能を有してゆくことを目指して設立するものです。この企業内大学について、ちょうど昨日付けの「YOMIURI ONLINE」の記事に、ユニクロが社内大学を設立するという内容のものがありました。さらに、1月10日に発売された、雑誌『BRUTUS』(マガジンハウス発行,2009年2月1日号)の特集も「ブルータス大学開講」でした。もちろん後者は今のところ、雑誌の中だけに存在する架空の大学ですが、ネット上の記事などを参考にすると、この「企業内大学」が昨年頃から開設が増加しているそうです。「企業内大学」と聞いて私がパッと思いつくのは、マクドナルドの「ハンバーガー大学」などでしょうか。

他にIT業界で「○○大学」と言うと、「楽天大学」や「GMOホームページ大学」などの名前が思い浮かびますが、どちらも自社運営のショッピングモールに出展している企業や見込み層などを対象としてセミナーなどを主催するような、外部に開かれた内容となっています。最終的には私たちもこのような形式にまで昇華させていきたいと思っていますが、まずは自分たちでできるところから小さく始めていきたいと思います。

 

この「フリーセル大学」ですが、もちろん、何もないところから突然思い付いたように「大学を創ろう!」と盛り上がったのではなく、前身にあたるものがあります。「CS道場」という、CS部の有志の社員が2年程前に始めた「社内勉強会」がそれです。

企業理念に基づいて「年頭所感」を述べる ~「ホスピタリティ」他、CS部で大切にしている考え方~」でも少し触れたのですが、青山にあるリゾートレストラン「カシータ」の高橋オーナーを講師に招いてホスピタリティに関する講演を行って頂いたり、また、座学だけでなく幾つかのグループに分かれて行う体験型学習を企画したり、あるテーマに沿ってバズセッション方式で意見をぶつけ合い、皆の前で発表するといった内容のときもありました。

最近では、会議の時に使われた教育資料が管理職間で共有されたり、(当社ならではのものですが)社内の映像制作スタッフが撮影・編集を行った教育用VTRがサーバに格納され、自社製の「e-Learning」形式の営業向け教材などもだいぶ揃ってきました。

 

「フリーセル大学」では、「CS道場」が今までに築いてきた実績に信頼性と権威性とを付加して、より現場の仕事と密接なものとして体系化された内容に昇華させてゆくことを目指しています。「フリーセル大学」で予定している講義の内容は、Webマーケティングや企業のコミュニケーション活動に必須の基本的なリテラシーはもちろんのこと、それ以前に重要となってくる社会人としてのモラル向上を目指し、自社の企業理念、自身のビジョンの理解、顧客理解を促進するような内容にしたいと考えています。また、経営層の考えと一般社員の考えとを橋渡しするプラットフォームとしての役割を有したコミュニケーションの場にしたいとも考えています。そして「自分で考え、自分で行動する」といった「自分力」のある、自律型人財を育成できるような仕組みにしていきたいと考えています。

 

折りも折、先月1日には当社は、「特定非営利活動法人 日本ウェブ協会(W2C)」の会員となりました。

cf.【プレスリリース】特定非営利活動法人 日本ウェブ協会に入会致しました。

http://www.freesale.co.jp/company/news/pressrelease/post_32.html

当協会への入会にあたり、具体的な当社の活動はこれからになるのかと思いますが、ともすると「ガラパゴス化」(cf.『2015年の日本』/野村総合研究所2015年プロジェクトチーム)しがちなIT業界にあって、世界標準や業界標準といった指標を自社に採り入れたり、あるいは逆に当社の独自の強みである「中小・ベンチャー企業向けのWebコンサルティング」のソリューションの中で業界標準化できるものがあれば協会を通して利用者へ情報提供したりといったように、相互補完を期待できる外部機関との繋がりが持てたことは追い風になりそうです。

 

ところで、以前私が趣味で購読していた雑誌に、『PRIR』(宣伝会議)というものがありました。この雑誌は、2009年2月号(2008年12月26日発売)から、『広報会議』と名称を変更し新装刊しました。これを機に、当社でも定期購読を始めてみたのですが――、

cf.危機管理・広報PR・IRの専門誌『広報会議』(宣伝会議)
http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/

この中で、企業に勤める会社員がブログを書く際に留意する点や、他社がどのようなガイドラインで社員に書かせているかについて、少し触れられていました。書いてよいこと、いけないこと。また、法規的な部分も含め、普段の業務の中では知り得ないことも自身で調べたり、判断して書かなくてはなりません。そういった点でも、改めて企業ブログは難しいと思った次第です。しかし、それだけにこうしてコラムを書くだけでも学ぶべき点は多いですし、社会とのフラットなコミュニケーション活動をおこなっているのだと思えば、今後ますます学習していかなくてはならないとも思いました。

 

冒頭に掲げたエピグラムは、「学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)」の提唱者である、マサチューセッツ工科大学のピーター・M・センゲ教授の著書の中の「自己マスタリー」の章から引用したものですが、このすぐ後に、京セラの設立者である稲盛和夫氏の語られた以下の言葉が引用されています。

研究開発、企業経営、あるいはビジネスのいかなる面であれ、それを動かすのは「人間」だ。そして、人間は自分自身の意志と精神を持ち、独自の考え方で生きている。もしも従業員たちに、技術的な発展や成長の目標に立ち向かう十分な意欲がなかったなら、そこにはどんな成長も、生産性の向上も、技術的な発展もないだろう。

/『最強組織の法則 新時代のチームワークとは何か』(ピーター・M・センゲ著)

この章では、「自己マスタリー」「クリエイティブ・テンション(創造的緊張)」といった概念が説明されています。どちらも一見難しい用語に思えますが、後者の概念などは普段の仕事の中でもよく使用されていると思います。つまり、「ビジョンと現状とのギャップ」のことを指して言っていて、常にこの緊張感を「エネルギーの源」として保ち続けることで人は成長し続けることができるという考え方です。

cf.第6回 学習する組織とは セキュリティー-人で守る――セキュリティー教育のすすめ(「IT-PLUS」,2005年12月19日)

http://it.nikkei.co.jp/security/column/sec_edu.aspx?n=MMITca029019122005

 

私が読書をするとき、またこうしてコラムを書くとき、特に意識はしなくても自然と、実際に書籍に書かれてある内容やコラムに書いてみたいと思う理想の姿と、それに相対する現実とのギャップとを深層心理では痛感しているのだと思います。その「理想の姿(ビジョン)」を言語化してコンテクストとしても各自共通で認識し、それを実行に移せたとき、今以上の結果が得られるのだと信じて、今は邁進するのみです。

 

最後となりますが、この「Webコンサルタント.jp」を見て当社へのお問い合わせをご検討頂けている方々へ向けてとなりますが、そういった方々は必ず「こういう風にしたい、でも分からない」、「最終的にはこうなりたい、でも今はできていない」といったような「クリエイティブ・テンション(創造的緊張)」をお持ちなのだと思います。

私たちは今後、こういったWebに関することでは、一つでも多くの課題やご要望にお答えできるように学習と成長をし続けていきますので、今年もまだ始まったばかりですがどうぞ宜しくお願い致します。 

「常に現在の自分以上の自分になり続けます」<成長>

/「フリーセル行動指針」より

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新卒入社から丸3ヶ月 ~"変化"を楽しもう~

2008年06月30日 12:58 AM

 投稿者 小川 悟

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進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示したと言われています。

/「第百五十三回国会における小泉内閣総理大臣所信表明演説」(「首相官邸」より抜粋)

つい先日の22日まで、上野にある国立科学博物館(以下、科博)にて「ダーウィン展」が開催されていましたが、ご覧になられた方はいらっしゃいますか?私は同僚を誘って今月に行って参りました。ニューヨークで開催されたものが日本に来た展覧会で、7月からは大阪でも行われるようです。私がこの科博に足を運ぶのは、2004年11月2日の新館グランドオープン以来のことでした。

『ビーグル号航海記』、『種の起源』等の著作や、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンですが、このようにまとまった展示が博物館でされるのも珍しいのではないでしょうか。展示内容の方も、博物館であることを活かした構成となっており、見て楽しめる要素もふんだんにあり、子供連れの入館者も多かったです。

まずは、チャールズ・ダーウィンの人となりについて――、イギリスを代表する陶器メーカーであるウェッジウッド社を創設したジョサイア・ウェッジウッドの孫(母方)にあたり、また、父方の祖父は医師であるエラズマス・ダーウィンであり、両家の血統を引いた裕福な家庭に生まれました。そういった背景もあって、20代前半にして普通の人ではとても体験できないような大きなイベントに際することになります。それが1831年から5年間に渡って世界を周航したビーグル号による世界航海で、進化論の着想を得たと言われています。

 

さて、ここまではおそらく一般常識の範囲で、これ以上深堀りしようとしても私は自然科学の専門家ではないですし、進化論について詳しいところは分かりません。ただ、この"進化論"が組織を語る上で都合が良い内容なのか、今までにも多くが引用され、意味が派生していっているようにも見えて興味を持ちましたので今回のコラムでも採り上げてみたいと思います。

ダーウィンは自身の論に対して、別の解釈で適用されることは勧めていなかったようですが、今日では「自然選択説(自然淘汰説)」や適者生存の考え方が子孫を残す力を経由して、"生き残るために環境変化に強くなろう"といった意味にまで論理を飛躍して考えられるようになり、ビジネスシーンにおいても度々引用されてきました。特に冒頭に掲げた小泉元首相の所信表明があった後は、国のリーダーが発した言葉であることもあり、多くの方に影響を与えたのではないでしょうか。

『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(2005年)というドキュメンタリー映画では、2001年に破綻したアメリカの大企業エンロンのスキャンダルについてが描かれています。その中で、当時のCEOスキリング氏が、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』を愛読していたエピソードが語られます。ダーウィンの進化論以降に世に登場するDNAの概念ですが、この"DNA"についてもビジネスシーンではよく採り上げられることが多いです(cf.『リクルートのDNA――起業家精神とは何か』等)。

繰り返して言いますが、私はこれらの学説や学術的な部分における是非について問うわけでなく、なぜ多くのビジネスマンやリーダーが同じように感銘を受け、語り継がれる魅力を持っているのかについて興味がわきました。思うに「組織」と言っても、進化論のように生物の体系そのものもそうですし、皮膚組織や細胞といったような人体を形成する組織もイメージでき、仕事上で組織を抱えるリーダーにとって共通のイメージを抱きやすく、また他者へ対する説明時においても例えやすいテーマ性を帯びていることも理由にあるのかもしれません。

では、この「変化に対応できる生き物」について。強引に例えて言えば、当社に今残って頑張っている人は、今までに職場を離れていった人たちと比べてみて、「最も力の強いもの」であるわけでも「最も頭のいいもの」であるわけでもありません。当社が今のような組織になるまでにたどった道のりの中で、求められる人材のタイプも微妙に変わってきているのかとは思いますが、いずれにしても会社の成長等の環境変化に合わせて柔軟に自身も変化、成長させてきた人が残っているのかと思います。

 

ここで視点を変えて、新卒入社者について。当社が新卒を受け入れたのは、今年で3期目になります。退職者を含めなければ累計60人くらいが入社しているわけで、当社の全体の3割を占めます。当然私の見るCS部にも新卒入社者が多く配属されています。私自身、新卒で社員として入社した経験がないため、当初は新卒の受け入れに対して不安も多かったのですが、親の期待を背負って学業を修了して自立し、苦労して就職活動を勝ち抜いて、ようやく初めて入社した会社がその人にとって最良の選択だったと思われるために努力できることはしていきたいと思ったものでした。人事部門の方で入社前の意思確認でマッチングした人材が入社したのであれば、いくら社会が厳しいとは言っても本来は弱音を吐いて、自身の選んだ道を簡単に捨て去ることはないと思うのですが、「五月病」という言葉もあるくらいで、ときに初めて体験するようなプレッシャーなどにぶつかると解決のしようがないこともあるのではないかと考えたこともありました。学生から社会への進出というのは一つの大きな環境変化だと思います。今まではどちらかというと「お金を払って物を買ったり、サービスを受けていた側」ですが、社会に出た途端、「お金を頂いて物を売ったり、サービスを提供する側」というようにまったく逆の立場になるわけですので、そのギャップが小さいわけがありません。まだ社会を知らず、恐いもの知らずだった学生時代までは、他人のアラを見つけては文句を言うことに長けていたとしても、社会に進出した瞬間、サービスを提供する者としては一年生になるわけで、いかに自分が求めていたことが、実現することの難しいことだったかに気付かされるわけですから、人生の大きな転機とも言えるでしょう。ともすると、そうした大きな環境変化に対応できず、今までは見られなかった心身の変調をきたす場合もあるでしょう。それを俗に「適応障害」などと呼ぶときもあります。

 

私なりに、そうした環境変化を楽しむコツとして自ら意識していることが、「アイカンパニー」「自分株式会社」の考え方です。株式会社リンクアンドモチベーションの小笹芳央社長がセミナーや、著書(cf.『モチベーション・リーダーシップ 組織を率いるための30の原則』等)の中でも繰り返しお話されている考え方です。他にも「自分戦略」といった言葉もありますね。

cf.参考サイト
・モチベーションエンジニアリング(Wisdom)
http://www.blwisdom.com/motivation/
・自分戦略研究所(@IT)
http://jibun.atmarkit.co.jp/

こうした発想や考え方を伸ばすために、自社でも関連した社内向けセミナーを企画したことがありましたが、そのお話についてはまた別の機会でしようと思います。

社会や組織に依存して、自ら何も決定しない、リスクをとろうとしない、いつも何か問題があると環境や他人のせいにする、そんな人材は絶対にリーダーシップを発揮できない。自己責任意識のないリーダーにメンバーは決してついてこないからだ。

/『モチベーション・リーダーシップ 組織を率いるための30の原則』(小笹芳央著)

耳の痛い文章です。私も前職時代はよく会社や環境のせいにしてばかりいたものでした。幸い私の場合、当社へ入社したときは「唯一のCS部員」としての待遇で入社したため、責任をなすりつける対象がなく、すべて自己責任であることを日々痛感できていたので環境に恵まれたかもしれません(汗)。裏を返せば、現在200名体制となった当社ですが、今から入社してくる人の場合は、入社当初から頼れる対象があるため、自分の中に少しの弱みや甘さがあれば、すぐに依存できてしまう体制にあると言えます。そういった環境の中で、いかに自分力を発揮して他者依存型にならないよう自律の精神を持って仕事に取り組めるかが、一つの大事な要素となってくるのではないかと考えています。

 

今年3月に、財団法人社会経済生産性本部が、恒例となった「(今年の)新入社員のタイプ」を発表しました。

cf.平成20年度・新入社員のタイプは「カーリング型」(財団法人社会経済生産性本部)
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/lrw/activity000857.html

06新卒より「ブログ型」」「デイトレーダー型」、そして「カーリング型」ときています。個人的には、昨今流行している血液型関連の書籍のように、演繹的に「○○型の人はこういうタイプが多い」と列挙されてもあまり興味がわかないのですが、社員の行動パターンや仕事の成果を統計的に見て、帰納的にグルーピングした上で群ごとに傾向と対策を講じる考え方は面白いと思います。この新入社員のタイプに対する命名に関しても、同じ類の仕組みで集計した統計結果を元に作られているようです。上記サイト内で紹介されている詳細のPDF資料には、「氷河期入社組の先輩との意識のギャップが懸念される」とありました。私も一応、氷河期時代に就職活動をしていた世代ですので、多様性を受け入れつつ、そうした世代とのコミュニケーションもしっかりとっていきたいと思いました。そう言いながら、一言だけ言わせて頂ければ「変化は楽しい」です。変化を恐れるのではなくて、楽しめるくらいの方が人生得だと思います。今期もドラスティックに変化できる年にしたいです。結びに代えて。

cf.「就職活動回想録 ~新聞各社インターネット進出の潮流の中で~

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