松岡 雄司(制作部コンテンツ編集課次長)
先鋭的なコンテンツ提案に定評のある、Webテキスト編集のプロフェッショナル
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CM制作会社での販売促進・制作経験より、一般消費者の「ブレークポイント」掌握を得意とし、専門であるWebライティング・セールスコピーを活かした先鋭的かつ等身大のコンテンツ提案には定評がある。また薬事管理責任者の有資格者として、薬事法・景表法・健康増進法・医師法・特定商取引法といったビジネスコンプライアンスを踏まえたソリューションを提示している。
Webライティングコンテンツプランニング広告法規
改正特定商取引法が2009年12月1日より施行されます。今回は、クーリング・オフの導入など、インターネット取引についての規制が強化されるということもあり、当社内では早々に今後の対応について協議し、サイトの表示内容の確認や顧客確認などの準備を進めているところです。
ところで今回の改正特定商取引法によって、Web業界やネット利用者にとってどんな影響があるのでしょうか? 大きな影響があることは間違いありません。
「特定商取引法」とは、事業者と消費者間でトラブルが生じやすい取引類型を対象に制定されている法律で、「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」「連鎖販売取引」「特定継続的役務提供」「業務提供誘引販売取引」などについて規制しています。事業者にとってはなじみ深い法律ではないでしょうか?
特商法の所轄は今年9月1日に発足した消費者庁であることから、「消費者を守るための規制強化」の一環として今回の一部改正に至っています。改正法の内容は多岐にわたりますが、簡単に説明すると、これまで法の抜け穴になっていた部分を明確に規制し、さらに法規制の対象を拡大させ、取引上のトラブルを減らそうというのが主旨です。
cf:【改正景品表示法】9月の消費者庁発足の影響は?IT&広告関連法規もまとめて所管へ
消費者庁および経済通産省が発表した今回の改正のポイント
(1)指定商品・指定役務制の廃止
・訪問・通信・電話販売では一部を除きすべての商品・役務が特商法の対象に
※これまでの対象商品・役務一覧
(2)割賦の定義の見直し
・「2か月を超える1回払い、2回払い」も規制対象に
(3)訪問販売規制の強化
・契約しない旨の意思を示した消費者への勧誘が禁止に
・通常範囲を超えた商品・サービスを購入した場合、契約後1年間は解除可能に
(4)クレジット規制を強化
・クレジット業者は登録制となり行政による監督を受ける
・クレジット業者は訪問販売を行う加盟店の調査が義務付けられる
・与信契約のクーリング・オフにより販売契約も同時に解除可能に
・虚偽説明により販売したケースでは、支払い後でも契約解除および返金請求可能に
・消費者の支払い能力を超える与信契約の禁止に
(5)インターネット取引(通信販売全般)の規制を強化
・返品特約を明示していない限り、商品到着日から8日のクーリング・オフが可能に
・消費者があらかじめ承諾しない限り、電子メール広告の送信を原則禁止に
・オプトイン規制に違反した場合、行政処分および罰則を受ける
・メール広告配信業者も規制対象に
※上記電子メール関連については2008年12月施行の内容と重複
(6)自主規制の強化、罰則の強化
・違反業者の罰則の強化
上記にあるように、インターネット取引(PC・モバイル不問)に関わる運営業者や広告主にも大きな影響をおよぼすような内容が含まれています。
先般の薬事法の改正などを筆頭に、ここ数年でネット販売やネット広告に対する規制強化はハイペースで実施されており、昨日まで問題なかったことが今日から行政処分の対象になってしまう、そういったことも頻繁に起こる時代になりました。
さて本題です。インターネット通販にかかわる(5)の中の「通信販売のクーリング・オフ、返品特約の表示」にスポットを当ててみたいと思います。
(特定商取引法第11条、12条、15条関係)
返品の可否・条件・送料の負担を広告に表示していない場合は、8日間、送料を消費者負担で返品(契約の解除)を可能にします。
つまり、ネットを含む通販においてもクーリング・オフ規定を導入するということ。消費者は送料さえ負担すれば、商品到着より8日間に限り返品できるようになりました。
ただし「返品の可否・条件・送料の負担が広告に表示していなかった場合」または「返品可能の旨が表示されていた場合」という条件付き。裏を返せば明瞭に表示しておけば業者は返品に応じる必要はないのです。ここは大き
なポイントです。
改めて自社のWebサイトやチラシ広告の「返品特約」について確認し、改正法の変更ポイントと照らし合わせてみましょう。クーリング・オフにどう対応すれば自社の利益もしくは消費者の利益につながるのか。戦略的な部分も含めて再度検討する必要がありそうです。なお、サイト上の「返品特約」の表示についてはガイドラインが開示されています。
インターネットで広告する場合の「返品特約」の表示ルール
(1)商品を広告しているページでわかりやすい「返品特約」の表示が必要
(2)商品の最終購入ページでわかりやすい「返品特約」の表示が必要
上記2点が最大のポイントです。
では、わかりやすい「返品特約」の表示とは?
・広告している商品と返品特約の対応関係を明瞭に表示
・他の事項に隠れて埋没してしまうようなことがないように明瞭に表示
・消費者が必ず確認すると考えられる事項の近い場所にその事項と同じサイズで表示
・12ポイント以上の文字で表示する、色文字・太文字を用いるなどして表示
・全ページに共通するインデックスタブ(グローバルナビ)により、すぐ参照できるように表示 etc……
上記のような基本事項を守りつつ、カタログ・雑誌などの紙媒体、Web媒体、テレビなどの放送媒体などに分けて、社内で返品特約の表示方法について明確なガイドラインを作成しておくことをお薦めします。
※通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン
http://www.no-trouble.jp/page?type=gallery&id=1249545324836
これまで通信販売がクーリング・オフの対象にならなかったのは、訪問販売などと違って不意な勧誘や強引な勧誘を受けることがないという考えから。つまり、消費者が時間をかけて入念に商品を検討し、自主的に購入できる環境であるとの判断でした。
ところが、実物を手にとって確認できないという通販の特性上、返品・交換トラブルは頻発しており、法整備の必要性に迫られていたのが実情で、国民生活センターなどに被害報告や相談が相次いでいました。
こうしてみると法規制強化を当然の流れだと思いますが、業者・消費者、双方にとって必ずしも良い流れだとも言い切れないのではないでしょうか? 一部の利益優先の不誠実な業者がいることでこうした規制が入り、その規制によって、また一部の不誠実な消費者が現れる。
このような最悪のパターンも想定できます。場合によっては、返品を繰り返されることで倒産してしまう業者も出てくるかもしれません。本当に必要だった商品やサービスが購入できなくなることも考えられるでしょう。
ネット通販やネット広告に関わる私たちとしては、法規制の中で企業の利益と消費者の利益のバランスを図ることが大切であり、そのバランスがもっとも良い位置にあるときに正しい消費サイクルが生まれるはずです。常にそのバランス感覚や観点を大切にできるWebコンサルタントでありたいと思います。




















