AMPページがGoogleAdWords広告で利用可能に!早速使ってみました
投稿者:セールスマーケティング部
2017/10/04 20:52
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こんにちは。普段はSEO領域であんなことやこんなことをしている中の人です。
今回、直接的なSEOとは(今のところ)関係ないのですが、面白いニュースがあったので実践結果と共にレポートをお届けします。
皆さんは以下のニュースをご覧になったことはありますでしょうか?
【AMP の速度を検索広告とディスプレイ広告でも実現】
https://goo.gl/w7YjEv
Web界隈で仕事をされている方であればご存じの方も多いと思いますが、AMPページがGoogleAdWordsの広告先として設定できるようになるというニュースが5月の末頃に発表されました。
しばらくベータ版として申込制で利用できていた状態ですが、9月8日に正式に機能が使えるようになっています。
【Using AMP for your AdWords Landing Pages】
https://developers.google.com/adwords/amp/landing-pages
そもそもAMPとは何?
この記事の主旨ではないのでざっくりと説明してしまいますが、AMPとはGoogleが各サイトへ導入を推進している「モバイルページ表示の高速化プロジェクト」のことです。
AMP-HTMLという特殊なコーディング方法で構築したページを自サイト内にアップロードすることで、Googleのサーバーにもキャッシュされるようになります。
Google検索結果から対象ページへ遷移した際は、そのキャッシュされたページを表示させることで”爆速”でページが表示されるようになるという仕組みです。
”高速”ではありません。”爆速”です。
AMPページをAdWordsなどの検索広告で利用することにはメリットがあり、利用事例が出てくるのをβ版の頃から待っていたのですが…
国内の利用事例が全然出てこない!
そういうわけで自分たちで実践してみようという結論に至ったというわけです。
今回利用したページ
今回、具体的にはこちらのページのAMPHTMLを作成し、検索広告のLPとして設定しました。
<元のページ>
http://www.brand-planner.org/lp/
<AMP化したページ>
http://www.brand-planner.org/lp/amp/
<GoogleにキャッシュされたAMPページ>
https://www-brand–planner-org.cdn.ampproject.org/c/www.brand-planner.org/lp/amp/
※AMPページはモバイル向けのページなので、PC向けには最適化していません。
なるべくモバイル環境でURLをご覧頂ければと思います。
AMPページを広告のLPとして使うメリット
先ほど少し触れたAMPページを広告のLPとして使うメリットですが、「高速表示」がキーポイントとなります。
AMPがSEO界隈で注目されていたのは、ページが高速になることでユーザーの離脱を防ぐことへの期待です。
世界水準で考えると通信環境が整備されている(=早い)日本とはいえ、ページ表示の重いサイト/ページはまだまだ存在します。
3秒以上の読み込み時間がかかるページは40%のユーザーが離れると言われており、SEO観点においてもサイト/ページの高速化というのは(優先度の兼ね合いはあるにせよ)無視できない存在となっています。
よって、爆速で表示されるAMPページを広告LPとして使うメリット・期待される効果は、
- ・ユーザーの離脱率の改善
- ・ユーザーの滞在時間の改善
- ・CVRの改善
などのユーザー行動ひいてはCVに関わる指標の改善効果を期待できる点がメリットです。
AMPページを広告のLPとして出稿する方法
さて、具体的な出稿方法について紹介していきます。
AMPページの作り方は…誰か紹介してくれると思いますので。。(丸投げ)
GoogleAdWordsでAMPページを出稿
出稿方法といっても特別なものはなく、AdWordsの管理画面から普通に設定するだけです。
クリック先として設定するURLをampページにすればOK。
AMPページがGoogleにキャッシュされると、検索結果から遷移した際のURLには
https://www.google.com/amp/s/www.brand-planner.org
https://cdn.ampproject.org/c/s/www.brand-planner.org
https://www-brand-planner-org.cdn.ampproject.org/www.brand-planner.org/lp/amp/
のいずれかの形式がユーザーには表示される(元のページがhttpかhttpsか等で形式が変わります)のですが、注意点としては上記URLをクリック先として設定してはいけません。
今回の場合は、
http://www.brand-planner.org/lp/amp/
にクリック先を設定するということになります。
「それだとキャッシュされたページが表示されなくない?」と疑問に思われるかもしれませんが、AMPページが正しく構築されており、Googleにキャッシュされた後であれば、検索結果から広告をクリックすると
https://www-brand–planner-org.cdn.ampproject.org/c/www.brand-planner.org/lp/amp/
のURLがユーザーには優先的に表示されるようになります。(要はAMPページが正常に表示されるということです)
作成した AMP バージョンのランディング ページは、他のモバイル ランディング ページと同じように扱うことができます。テキスト広告とキーワードについては、AMP ページの URL をモバイル向け URL として設定できます。そうすれば、モバイル ユーザーが広告をクリックしたときに、最速バージョンのページが表示されます。ページが最速で読み込まれるようにするために、AMP ページは可能な限り Google AMP キャッシュから読み込まれます。キャッシュを利用できない場合は、ウェブサーバーから AMP ランディング ページを読み込みますが、それでも AMP 非対応のページよりは高速です。
引用:https://support.google.com/adwords/answer/7495018?hl=ja
Yahooプロモーション広告でAMPページを出稿
前提として、Yahoo Japanにおいては現状AMPページはまだサポートされていません。
(サポート予定であるという発表は既にされています)
上で紹介したような3種類のURLでキャッシュされるわけではないので、
http://www.brand-planner.org/lp/amp/
をクリック先として設定したとしても、キャッシュされたページが表示されるわけではないので「爆速」表示とはいきません。
とはいえ、AMP-HTML形式で構築されたAMPページはそもそもが通常のページよりも軽いので、「超速」表示くらいはあるでしょう。
正式サポート前にYahooで出してみるのも一つの手かと思います。
AMPページと通常ページでの広告成果・ユーザースコアの比較(2017/11/17更新)
AMPページの広告効果を測定するため、モバイル限定で10月より同じ広告文でリンク先ABテストを実施しました。
<リンク先A>
http://www.brand-planner.org/lp/
⇒今まで通りのURL
<リンク先B>
http://www.brand-planner.org/lp/amp/
⇒AMPページ
結果1:CVRが大幅に改善!
赤枠の部分を見て頂くと、CVRが0.69%から2.23%に大きく改善したことが分かります。
上の画像の測定期間は10/1~11/14ですが、直近1年のデータを見ても/lp/のCVRは約1%弱の推移だったので、目に見えて変わったと言っても良いのではないでしょうか。
平均セッション時間も8秒ほど伸び、CVに関わる数字やユーザー行動に関わる数字の改善は見られたという結果を得られました。
結果2:読み込み時間が大幅に改善!
CVに関わる数字やユーザー行動に関わる数字の改善が見られた原因としては、やはりこの読み込み時間の短縮が大きく寄与しているのではないかと思います。
Analyticsベースで、AMPページにしたことで約9秒も読み込み速度が早くなりました。
平均セッション時間が8秒伸びたことを考えると、偶然かもしれませんが読み込み速度が早くなったぶんの秒数がセッション時間の増加に結びついていますね。
まとめ
AMPという言葉は聞いたことがあっても、実装のメリットが目に見えないと中々導入に踏み切れないという会社様が多いと思います。
今回、AMPページをGoogle検索広告やディスプレイ広告で使えるようになったということで、AMPページにしたことによる効果を実証すべく(というか自分が知りたいという興味が強かったです)プロジェクトを走らせてみました。
AMPはサイト全体に導入する必要はなく、ページ単位・ディレクトリ単位での導入を進めるという流れが一般的です。
よって「まずはLPだけ実装してみる」というような形で部分的に導入できる点は、高額な費用や膨大な工数を費やすことができない会社様にとってもメリットになるかと思います。
「今のLP、色々と施策を打ってみたけど、CVRを上げるにはあとはどうすればいいのか…」
というようなお悩みをお持ちであれば、ぜひAMP-LPを検討されることをおすすめします!
【編集担当:佐野】