ツイッターマーケティングの参考にしたい企業アカウントの変則ツイートパターン3選

投稿者:コンテンツ編集課

2013/09/07 13:42

この記事は約5分で読むことができます。

今や企業のマーケティング手法として広く活用されているツイッターですが、独自色を打ち出して成功を納めているアカウントはほんの一握り。では、ツイッターを効果的なマーケティングツールとして活用できている企業のアカウントは、どのような独自色をつぶやきのなかに織り交ぜ、ユーザーの興味を引き続けているのか……気になりませんか?

今回は、特徴的なつぶやきで人気を博している3社の企業アカウントをピックアップ。コンテンツマーケティング担当として私自身も参考にしている、各企業アカウントのつぶやき&運用テクニックに迫っていきます。

事例1.シャープ株式会社

時事ネタを織り交ぜた皮肉や自虐的なブラックジョークなどを自社製品と絡めながらツイートすることで人気の有名家電メーカーのアカウント。有名なキャッチフレーズ通り「目の付けどころが、シャープ」なところが注目されています。

特徴的なツイートをいくつかご紹介しましょう。

この原稿執筆現在(2013年8月末)、世間を騒がせている“バカバイトの悪ふざけ(※)”を皮肉ったツイート。すでに1万近いリツイートがなされています。「冷蔵庫は人が入るところではありません」という注意喚起を、家電メーカーの立場からとぼけたテイストでつぶやいています。

※アルバイト店員が就業中にアイスクリームなどの売り物を保冷している冷蔵庫に入り、その画像をツイッターで公開、のちに店舗の閉店や訴訟にまで発展するといった事件が相次いでいる

さらに直後、

とツイートし、自社の冷蔵庫紹介サイトに誘導することも忘れません。時事ネタから共感を集めて、自社商品の紹介へとつなげる一連の流れには無駄がなく、まさしくシャープな印象を感じさせます。

また、シャープアカウントのツイートは、一見マーケティング活動とは関係のなさそうなツイートが多いことも特徴。

調べてみると、「なるほど」と思うわけですが、このようにアニメネタやネットスラングなどサブカル系のワードを巧妙に混ぜるあたりにも、ネットユーザーの嗜好もよく理解したうえで運用を行っているなと思わずうなってしまいます。

事例2.吉野家

言わずと知れた牛丼チェーン最大手のアカウント。
プロフィール欄にもあるコンセプト「うまい、やすい、はやい」をツイートでも踏襲する、軟式でありながら誠実な対応が特徴的な企業アカウントです。

ツイートの最大の特徴は、語尾が「~ぎゅう」であること。特別キャラクターを立てているわけではないので、よく考えると「お前、誰やねん!?」というツッコミをしたくなるのですが、どこか憎めないので「ま、いっか」と許してしまいます。

画像一番下のように、ユーザーの間違いもやんわりと訂正。このあと該当ユーザーは、ちゃんと覚えてくれたようです(笑)。こうした指摘も謎のキャラクター設定のおかげで気軽にできるというわけです。

また、吉野家のアカウントは、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることも特徴のひとつ。

「感想きかせてくだぎゅう♪」からのテンションの落差が笑えます。しかし、これこそ吉野家の誠実な対応の証。ユーザーからの批判(意見)をキャラクターで返してうやむやにせず、社としてしっかりと受け止め、次に活かそうという真摯な姿勢が見て取れます。

気軽にユーザーとコミュニケーションを取ることで意見収集の間口が広がり、効果的なマーケティングリサーチにつながるという好例です。

事例3.にゃらん(じゃらん)

人気旅行専門雑誌の公式アカウント。イメージキャラクターである猫の「にゃらん」とその「弟子」による「旅行記」のような体裁を採っています。

にゃらんアカウントの魅力はなんといっても愛らしい写真の投稿。

ツイート内容云々ではなく、単純に「かわいい」「癒される」ということで有無を言わさずリツイートしたくなってしまう画像の数々。さらに画像を見ただけで「あー、旅行に行きたいなー」「じゃらんで旅行先を探そうかなー」という気持ちにさせられてしまうのがすごいところ。

このアカウントの場合、作り物のキャラクターではなく生の動物を使っているところがポイントです。美しい景色とともに捉えた、にゃらんのリアルな表情が、ユーザーの心を打つのです。

ちなみに、にゃらんは「じゃらん」の宣伝は一切しません(雑誌のアカウントのリツイートをまれに行うのみ)。にもかかわらず、ユーザーの旅心を動かしてしまうのですから、動物パワーはあなどれません。

マーケティング手法はさまざま

マーケティングといえば、まず自社製品やサービスに関する宣伝・集客をすることが優先されがちですが、ツイッターでは、直球な宣伝は嫌われる傾向にあります。

今回紹介した手法は一見遠回りにも見えます。しかし、ユーザーの興味を引き、心をつかむこと、さらに次のツイート(宣伝でさえも)を期待させることに成功しています。

これらの例のように、ツイッターマーケティングにおいては、ツイートにストーリー性を持たせ、単なる情報を“コンテンツ化”することが大切。ツイートを読む「楽しさ」「おもしろさ」を提供した先にこそ、効果的なマーケティングがあるということを認識しておきましょう。

【関連特集ページ】
Webライティング「ALL Write!」| コンテンツマーケティングソリューション

【編集担当:佐藤】

Webライティング