中小・ベンチャー企業はなぜソーシャルメディアを活用できないのか?

投稿者:コンテンツ編集課

2012/05/07 08:51

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現在、御社では何らかのソーシャルメディアを利用されていますか? 当コラムの読者層を考えると多くは、“Yesと”答えるでしょう(実際ソーシャルメディア経由のコラム参照数は約3割前後)。


ところが、ソーシャルメディアを有効に企業活動に利用できていますか? という質問となると、“No”と答える方のほうが多くなるのではないでしょうか?

※参考:当社のメールマガジン読者(読者の9割以上が中小企業の経営者・Web担当者)に実施したアンケートの結果(中小・ベンチャー企業のWeb戦略の実態)

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現在、ソーシャルメディアマーケティングで成功を収めているのは、Webプロモーションに積極的な大手企業・有名ブランド、コンテンツを継続的に発信している一部のマーケッター達です。中小・ベンチャー、零細企業としては、旬のプラットフォームをビジネスに有効活用したいところですが、実態として、なかなかどうしてハードルが高そうなのです。


その要因は色々と考えられます。

ブランド力うんぬんの話ではなく、ソーシャルメディアとそれに紐づくコンテンツ制作に多くのリソース・人員を避けない、それなりのメディアリテラシーが必要、というのが主だった理由です。


具体的には以下の3点です。


(1)オンラインコンテンツを継続的に作るリソースがない

まずオンラインコンテンツ=(ブログ、動画、PDFレポート、メルマガ、ニュースリリースなど)を継続的に作成できなければソーシャルマーケティングは成立しないでしょう。さらに情報過多の昨今では、コンテンツの「質」はもちろん「量」も同時に求められます。


中小・ベンチャー、零細企業の場合、閲覧者にとって有益で共感を呼ぶ可能性のあるコンテンツを「大量」に作成するのはリソース的に至難の業です。即時に効果が出るわけではないこともハードルを高めている要因かもしれません。ソーシャルなコミュニティを活性化させるには地道にコンテンツを蓄積していく必要があるのです。ここが最初のハードルです。

これができない以上、ソーシャルマーケティングの成功は望めませんが、コンテンツは企業現場のいたるところにあるはずですので、まずは勇気を持ってリソースを確保しコンテンツの制作に着手しましょう。


(2)コミュニティをマネジメントできる発信者がいない

一定量のオンラインコンテンツを作成できた場合、今度はそれらを媒体やコミュニティならではの文脈にそって発信していく必要があります。単に日々のできごとやトピックスをブログやメルマガで発信しているだけでは、なかなか成果は望めません。


配信メディア毎に異なるターゲットを熟知し、それに合わせて最適なメッセージ、最適なコミュニケーションを心がけます。このようなワントゥワンなファシリテートは比較的小規模な企業のほうがやりやすい側面もあるのでそのメリットを最大限に活かします。


また一方的にサービスを売り込むのではなく、時にはクレームや要望を真摯に受け入れるなど、良好な関係を地道に構築していきましょう。担当者にはそうしたコミュニティマネジメントが求めらられます。単なるオペレーションに陥ってしまっては元も子もありません。

(3)適切なKPIの設定・データの検証・分析ができない


コンテンツクリエーターやソーシャルメディアをマネジメントするスタッフは、それぞれのメディア(Facebook,ツイッター,ブログ,メルマガ,ホームページなど)が企業の経営戦略上何を意味しているのか、どういった立ち位置にあるのかなどを充分に理解しておかなければなりません。その上でユーザーアクションのデータ検証を行い、適宜ジャッジしていきます。


質の高いコンテンツがあり、それを発信できる人材も確保できている場合、Facebookの「いいね!」の数やツイッターのフォローワー数、メルマガの購読者数などは、ある程度確保できかもしれません。ところが最終的な成果を得られなかったり、それぞれのメディア(例えばホームページとFacebookとメルマガなど)の連動が上手く機能しなかったりするケースがあります。


これは、各メディアを単体で捉えてしまい、企業の経営戦略を俯瞰したうえでのKPIの設定、データ検証・分析ができてないケースが考えられます。ここが3つ目のハードルです。企業や事業部門の戦略全体を俯瞰したうえで、(1)のコンテンツ制作(2)のメディアマネジメントに還元しながらトライアンドエラーで運用していく必要があるでしょう。

 



 

ソーシャルメディアは元来、(1)多くのコストを掛けずにユーザーとのコミュニケーションが図れ、(2)企業のサービスやパッションを簡単に発信でき、(3)バイラル(口コミ)効果を得やすいなど、中小・ベンチャー企業にとって導入しやすいメディアとされますが、


企業が一定の成果を出すことを考えるとそれなりのリソース(予算)を割き、最適なメディアマネジメントができるスタッフを育成する覚悟が必要になるのです。

逆にコンテンツが豊富にあり、メディアリテラシーの高いスタッフがいる場合は、集客はもちろん、セールス、広告効果、顧客の囲い込み、企業ブランディング、SEOなど、今後も拡大するであろうソーシャルメディアのメリットを最大限に享受できるといえます。


「ソーシャルメディアの活用≒集客効果・売上効果」となる時代はもうそこまで来ています。ぜひ今回の記事を参考に本格的にソーシャルメディアに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

【編集担当:松岡】

Webコンサルティング